繊維ニュース

三菱ケミカルG/米でのMMAプラント検討中止/約200億円の損失計上

2025年01月08日 (水曜日)

 三菱ケミカルグループ(G)は、米国ルイジアナ州でのMMA(メタクリル酸メチル)モノマープラント新設について、投資計画の検討を中止すると発表した。既存設備で当面の需要に対応できることや長期的取引へのコミットメントが得られなかったことから判断した。検討中止で、約200億円の損失を計上する予定。

 同社グループは、独自技術の「新エチレン法(アルファ法)」による米国シェールガス由来のエチレンを原料としたMMAモノマープラントの最終投資決定に向けて、ルイジアナ州ガイスマーに建設用地を取得。フロントエンジニアリング設計や各規制に関する許認可の取得などを進めてきた。

 今後は、MMA事業の競争力強化に向けて拠点の新設と統廃合などを通じてグローバル生産体制の最適化を図る。また、昨年11月に公表した「新中期経営計画2029」に基づき、高付加価値用途向けのフォーカスや新規用途の開拓などの成長戦略を推進する。

 MMAモノマーは、自動車のランプカバーや看板、水族館の水槽、塗料、建材などに使われるアクリル樹脂の原料。世界需要は年間300万トンを超え、安定的な市場成長が見込まれている。