年頭所感2025/東レ/帝人/東洋紡
2025年01月08日 (水曜日)
〈成長を方向付ける年に/東レ 社長 大矢 光雄 氏〉
2025年は、中期経営課題の最終年度として目標達成にまい進するとともに、次期中経を策定し、東レグループの今後の成長を方向付ける非常に重要な年となる。中経で掲げた財務KPIを達成し、「持続的かつ健全な成長」を実現するため、各課題に取り組む。特に収益力向上のために全社で戦略的プライシングを推進している。単なる値上げではなく、当社の製品の価値を顧客に認めてもらう活動だ。各事業に携わる関係者全員が、組織の壁を乗り越えて一丸となって推進していく。
〈変革と追求の両立/旭化成 社長 工藤 幸四郎 氏〉
不確実で予測不可能な状況下、地球規模での変化への対応力を備えておくことの重要性を認識し、対応力を強化する。「過去の延長線上には未来はない」ということをいま一度認識しなければならない。「創造的破壊」「ディスラプション」が必要な時代だ。改めて「旭化成らしさ」について考える。100年以上の歴史を刻むことができた理由は、自らが「変革してきたこと」と、旭化成らしさを「追求してきたこと」だと思う。変革と追求の両立が「不易流行」。「旭化成らしさ」を今一度呼び起こす。
〈パーパス軸に一体で/帝人 代表取締役社長執行役員 内川 哲茂 氏〉
今年は「中期経営計画2024―2025」の最終の年度である。まずは中計で掲げたことを実現すべく社員に協力を得ながら推進する。また、今年はグループのパーパスを社員と共有し、それを発揮していくパーパス実践の初年度でもある。社員と共にパーパスを自分事にし、社外にも知ってもらう年にしたいと考えている。そしてパーパスを軸に社員が一体となってバリューを実現することにより、長期ビジョンである、「未来の社会を支える会社」になることを実現する。
〈存続・発展の条件/東洋紡 社長 竹内 郁夫 氏〉
東洋紡グループは今年で143年目を迎える。たまたま140年たったのではない。「企業存続・反転のための条件」があった。一つ目は「社会からの信頼」。あらゆるステークホルダーとの信頼関係が不可欠。安全・防災、品質、コンプライアンスの徹底に努めてきた。二つ目は「環境変化に対応する自己変革と、利益を出し続ける」こと。今後も成長事業に経営資源を重点投下する。三つ目は「人と組織・チーム」。企業理念「順理則裕」に誇りを持つ「現場が主役」だ。未来を作るため、やるべきことをやり抜く。
〈海外で勝負するリソースを/カネカ 社長 藤井 一彦 氏〉
大型製造拠点やマーケティング・開発拠点など、海外で戦うためのプラットフォームを既に持っている。海外での活動を強化するための設備投資・M&A(企業の合併・買収)を積極的に実施していくが、箱があってもカネカを理解し、現地の文化ややり方(way of doing things)を理解している人がいなければミッションは遂行できない。国内だけでなく、外に目を向けて自己実現につなげる。この結果としてビジネスがついてくる。海外で勝負するためのリソースを投入する。
〈新経営方針と新中計の初年/三菱ケミカルG社長 筑本 学 氏〉
今年は、新経営方針「KAITEKI Vision35」と新中期経営計画2029の最初の年になる。企業存立の基盤である安全とコンプライアンスの順守はもちろんだが、初年度の目標達成に向けて社員には「つなぐ」ことを実践してほしい。培ってきた技術や人材、一人一人の知恵や能力をつなぐことで目標は達成できる。また、グループにとって非常に重要なERP(統合基幹業務システム)統一プロジェクトが日本でも始まる。4月の始動に向けて力を尽くす。
〈再生へ全力/ユニチカ 社長 上埜 修司 氏〉
昨年11月に新たな事業再生計画を策定し、地域経済活性化支援機構に支援を要請した。従業員、金融機関、株主、取引先の皆さまに大きな負担をいただくことになり、大変申し訳なく思う。ユニチカグループが生き残るための最後のチャンスと判断し、決断した。ユニチカの収益力は回復に向かっている。これから進む道が再生のための最も良い道であると強く信じる。「ユニチカは再生できる」「ユニチカは、もっと良い会社になる」と信じ、一人一人の力を結集して再生計画を実行する。
〈中計目標へ加速/クラレ 社長 川原 仁 氏〉
今年度は、5カ年中期経営計画の4年目になる。昨年に実施した計画の進捗(しんちょく)確認と状況変化の認識に応じて、最終目標に向けた重要課題への取り組みを加速するが、もしも変更すべき戦略や施策があれば設定し直して実行する。各事業と本部、グループ会社においては、当初の計画に対する進展度合いはさまざまだが、共通して言えるのは資本効率を高め、経営資源を集中すべき分野により集中し、成長のスピードを上げる方策を継続して実行することだ。