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帝人商事〈上海〉/地場スポーツ向けOEM拡大/24年は増収増益

2024年12月27日 (金曜日)

 【上海支局】帝人フロンティアの中国法人、帝人商事〈上海〉の2024年業績は、前年に比べ増収増益になる見通しだ。地場スポーツブランド向けの製品OEM/ODMと、日本の大手SPA向け生地販売を伸ばした。日系自動車メーカー向けを中心とした産業資材は、芳しくなかった。

 製品OEM/ODMは、地場スポーツ大手2社との取り組みを大幅に拡大した。「日本の最先端素材や南通帝人の高付加価値な生地、ODMのデザイン力が顧客から評価されている」と、小笠原重典董事長は話す。

 新規開拓も強化した。「インターテキスタイル上海」の春夏展と秋冬展の双方に出展し、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」使いの経編み・丸編み地を製品一貫で提案した。ネット通販ブランドなど、小口のブランドとの取り組みが始まっている。

 日本の大手SPA向けが中心の生地販売も好調だった。現状は、中国の協力工場での生産がメインだが、日本の顧客が縫製をASEAN地域にシフトしていることに対応し、ASEAN地域の生地工場の活用を増やそうとしている。

 一方、エアバッグ基布やカーシートなどの日系自動車メーカー向け資材は苦戦した。背景は、地場EV(電気自動車)メーカーが急速に台頭する中、同社のメイン顧客である日系メーカーの販売不振が続いていることだ。

 25年も増収増益を目指す。「24年は衣料関係が出来過ぎた感はある」(小笠原董事長)が、好調の維持に努める。産業資材は、EV関係を中心とした地場メーカーの新規開拓を強めていく。