繊維ニュース

三菱ケミカルGなど4社/遠隔操作で工場設備点検/スマートメンテナンスへ

2024年12月26日 (木曜日)

 三菱ケミカルグループ(G)、伊藤忠テクノソリューションズ、NTTデータグループ、NTTコムウェアは、「IOWN APN」を活用した遠隔操作型ロボットによる工場設備点検を共同で検証した。設備の劣化を検知するなど、高水準の数値結果を得ることができた。今後は、将来のスマートメンテナンス実現につなげていく。

 フォトニクス(光)ベースの技術を導入し、低消費電力と高速大容量、低遅延伝達を実現するAPN(オールフォトニクスネットワーク)を活用して検証した。工場壁面のパイプの亀裂をリアルタイムに検知したほか、劣化の兆候であるパイプの振動を精密に解析できたと言う。

 今回、東京のお台場と五反田間を120キロ離れたAPN環境として構築した。拠点間のAPNにロボットは問題なく接続でき、ロボットのカメラからオンデマンドに配信される映像は、遠隔地にいる作業者に遅延を感じさせなかった。

 工場などでは、設備保全のための定期点検が必要だが、設備規模が大きいと手間がかかり、転落などの危険が伴う高所点検もある。今回の取り組みによってこうした負担を減らせる可能性がある。