ごえんぼう
2024年12月25日 (水曜日)
「時間て、いったいなんなの?」「ちっともとまってないで、動いていく。すると、どこからかやってくるにちがいない。風みたいなものかしら? いや、ちがう! そうだ、わかった! 一種の音楽なのよ」▼ミヒャエル・エンデ作(大島かおり訳)の小説『モモ』の一節だ。物語では、時間に追われ疲へいする人々が描かれる。「人間には時間を感じとるために心というものがある。そして、もしその心が時間を感じとらないようなときには、その時間はないもおなじだ」▼「心を亡くす」を漢字一文字にすると、「忙」、そして「忘」。仕事が忙しいことは良いことでもあるが、忙しさにかまけ過ぎていると、大切なことを見落としてしまう、忘れてしまう恐れがある▼今年も残すところ1週間。目の前のことに追われながら、あっという間に過ぎた1年のようにも思える。師走の忙しい時期だが、1年を振り返る時間をとり、新年を迎えたい。