繊維ニュース

倉紡貿易〈上海〉/内販の新規開拓進む/展示会出展の成果で

2024年12月24日 (火曜日)

 【上海支局】クラボウの中国法人、倉紡貿易〈上海〉が、生地の中国内販事業で新規顧客の開拓を進めている。展示会への出展を通じ、開拓した新規顧客から今年注文を受けた。一方、現地の生地商社との取り組みは、成果を上げられなかった。来年も展示会出展を続け、直販と生地商社経由の2本柱で内販拡大に取り組む。

 この2年間の服地展「インターテキスタイル上海/深セン」への出展が功を奏し、「ロットは小さいが、新しい顧客と商売ができるようになった。来年、花を咲かせそうな案件もある」と、三谷尚志総経理は話す。

 小ロット・短納期を求めるネット通販ブランドなどを開拓するため、2023年後半に始めた現地の生地商社経由の販売は、進捗(しんちょく)がなかった。同生地商社が得意とする価格帯と「当社の生地値がマッチしなかった」(三谷総経理)ことが要因とみられる。そのため、新たな生地商社との取り組みを検討している。

 内販では、クラボウの日本とタイの自社工場で生産する綿100%や合繊混のカジュアル向け織物と、中国の協力工場の同織物を取り扱っている。主力アイテムは日本製と中国製で、売上比率はそれぞれが半々だ。

 同社の24年業績は、芳しくなかった。売り上げ全体の8割以上を占める日本向けが、前年実績を下回ったことが響いた。