伊藤忠商事/DtoCの強化に注力/各部門長が示す今後の方針
2024年12月23日 (月曜日)
伊藤忠商事の繊維カンパニーはこのほど開いた会見で、今後は各ブランドの価値向上と商品力の強化に重点的に取り組む方針を示した。その取り組みを実行する各部門長は、2025年以降の展望などを以下のように述べた。
【ファッションアパレル部門長・三村剛執行役員】
スポーツ分野では「デサント」とドームの「アンダーアーマー」がDtoCで成長した。国内の出店状況も順調であり、25年以降も積極的に店舗展開をしていきたい。
今後は何をおいてもデサントの完全子会社化への対応が最重要課題であり、現在はPMI(統合プロセス)を進めている。
サステイナビリティー関連では、パートナー企業との連携による各種の循環事業が着実に実績を積み重ねている。
海外では、中国の事業会社、伊藤忠繊維貿易〈中国〉(ITS)によるスポーツ関連のビジネスが好調を維持している。伊藤忠テキスタイル・プロミネント(IPA)は、資本・業務提携を結んだベトナムの有力SPA、コーウィルに日本の小売りのノウハウを伝えていく。
カジュアルは、エドウインを中心にDtoC販売と商品力の強化に取り組んでいる。25年以降は他のブランドについても、この施策を推進する。
【ブランドマーケティング部門長・福垣学執行役員】
24年は、アジアで知名度が高い「ヴィヴィアン・ウエストウッド」などが、インバウンド(訪日外国人)の購買に支えられた。
レリアンやジョイックスコーポレーションといった中高級品を扱う事業会社は、地方の百貨店の相次ぐ閉店が業績に影響した。逆風が吹く中で事業を成長させるには、マーケットインの発想で市場の声を聞きながら商品力を磨き、より鮮明にブランドのイメージ、世界観を発信する必要がある。
24年は「FILA」「レスポートサック」、ヴィヴィアン・ウエストウッドといった主要ブランドで、ハンズオン経営に踏み出していった。小売りまで一貫したブランド展開を推進していく。
今後のブランド事業は、アジアを中心とした海外での同時展開を念頭に置かないといけない。
川下に近い位置で戦っていく必要性が高まっており、小売りも手掛けるパートナー企業との取り組みも増やしていく。