LIVING-BIZ vol.113(11)/スリープセレクト/テンピュール・シーリー/三幸/ボーケン
2024年12月18日 (水曜日)
〈スリープセレクト「シーリー」/ハイブブリッドマットレス登場/ソファ感覚のフレームも〉
ベッド・マットレスを製造販売するスリープセレクト(東京都港区)は来年3月、米国発の世界的ベッド・マットレスブランド「シーリー」の新作マットレスやベッドフレームを発売する。
マットレスはコイルとウレタンを組み合わせた「ハイブリッドJP」。荷重に応じて反発力が変化する「タイタニウムコイル」に、4層のウレタン(低反発2層、中反発、高弾性)を重ねた。体を包み込んで支えるシーリーならではの“上質な低反発感覚”を提供。販売好調な電動ベッドにも対応する。海外では5年ほど前から展開されている人気商品で、日本市場向けに低反発感を高めた。
上部低反発ウレタン厚めの5層タイプはシングル33万円~、上部低反発ウレタン薄目で中反発ウレタンのない4層タイプは同25万3千円~。
ベッドフレームは高級本革・布張りと木製の2種類で、どちらも日本製にこだわった。本革・布張りの「ジェファーソン」は、背クッションにスモールフェザーを配し、ソファのようにゆったりくつろげるヘッドボードが特徴。本革(一部合皮)13色・生地12色から選べる。日本独自の最上級マットレス「ブルーダイヤモンド」にも合うよう、120㌢の高さにした。
シーリーのマットレスは、日本市場でシングル10万円台のエントリーモデルから同60万円台の高級モデルまで幅広く売れているという。中でも高級モデルは、中国人をはじめとする日本在住の海外富裕層に人気。フレームも同様で日本製を増やした。
年内には、ホテルライクなボトムスカートやベッドスプレッドなどの寝装品も発売する。
〈テンピュール・シーリー/インドに新工場開設〉
米国の寝具メーカー、テンピュール・シーリー・インターナショナル(テンピュール・シーリー)のライセンスパートナーのシーリー・インディア(インド)はこのほど、インド中南部の都市、ハイデラバードに、スプリングマットレス工場を開設した。急成長を続けるインド寝具市場への対応力を高める。
インドでは、都市部の拡大やライフスタイルの多様化に伴い、快適な睡眠環境への需要が拡大する。一方で、同国では硬めで薄いマットレスが好まれる傾向にあり、厚みのあるスプリングマットレスの市場はまだ発展段階とされる。
同社は、10月末に新工場を開設して同国内への対応力を高めるとともに、高い体圧分散力やサポート力を持つスプリングマットレスの価値を訴求して浸透を図る。
テンピュール・シーリーは、インドを含め全世界に約70カ所の工場がある。日本国内は、ベッド・マットレスを製造販売するスリープセレクト(東京都港区)が、テンピュール・シーリーとライセンス契約してシーリーブランドを製造・販売している。
〈三幸/特別清算を開始〉
信用交換所によると、寝具類カバーほか卸の三幸(愛知県蒲郡市、都築正幸代表)の特別清算の開始決定がこのほど、名古屋地裁から下りた。
同社は1973年6月に同幸田町で設立、76年4月に現所に本社を移転。ふとんカバー、敷パッド、シーツ、ふとん、クッションなどを扱い、自社企画品を主体にOEMも手掛けていた。
中国、インドネシアの傍系工場で生産し、量販店や問屋、ドラッグストア、ディスカウントショップに販売。ピークの2019年1月期には年商29億9657万円を計上していた。
しかし、以降は新型コロナウイルス禍もあって売り上げが落ち込む中、今年3月31日開催の株主総会の決議で解散、債務整理のため今回の措置となったもよう。
〈ボーケン/寝装・インテリアも/ワンストップでサポート〉
ボーケン品質評価機構(ボーケン)は、寝装・インテリア分野でも“お客さまの困り事を一緒に解決する品質保証パートナー”の姿勢を強めている。同分野担当の生活産業資材事業本部を軸に、必要に応じて繊維、機能性、海外、品質支援、認証・分析の各事業本部と連携。製品の企画段階から生産、流通、販売、廃棄循環までワンストップでサポートする。
対象製品は寝具寝装品、日用品、家具、インテリア、福祉用具など一般向けから公共向けまで多岐にわたる。中国、ベトナムの拠点を活用し、対象市場も日本向けから現地内販、業務提携先と協業した海外向けと幅広い。
昨今は工場のQC監査やエビデンス(科学的根拠)に基づく性能表示の相談が増加。抗菌・抗ウイルス試験の状況が落ち着く一方、高付加価値志向から快適性の評価相談が多い。既存規格では評価が難しい新機能・構造などの評価・表示を依頼企業と共創。広告媒体の変化に合わせ、写真や試験動画を駆使しエビデンスを視覚的に訴求する。
猛暑を背景に、コインランドリー対応のふとん丸洗い評価試験をはじめ、寝具類の持続冷感・保冷性やカーテンの紫外線遮蔽(しゃへい)など従来機能強化の動きにも対応。マットレスの硬さや反発弾性、体圧分散性、肌離れといった寝心地・座り心地など“~心地”の客観評価に対する需要も高まった。
安全性では、消費者・販売者のサステイナブル志向から、マットレス、ビーズクッション、枕などで長く安全に使えるエビデンスの取得(耐久性、耐用年数、繰り返し使用、廃棄時の分解・素材分別など)が盛ん。製品構造や誤使用を含む偶発的事故の未然把握とその防止・表示も求められる。
働き方・働く場の変化に伴い、ファブリックを多用した新しいオフィス家具・空間作りが活発化する中、10月に日本オフィス家具協会に入会。これまでの知見と強みを生かし、オフィス家具もワンストップで対応する。
「ジャパンテックス2024」などインテリアの外部展示会にも出展した。情報収集とともに、環境対応や法規制などの最新情報を発信し業界に伴走。55回目となるボーケン展示会(25年2月末までオンライン開催中)では、実際に起きたクレーム品の原因分析から改善方法まで紹介し、業界の健全な発展を支え続ける。