LIVING-BIZ vol.113(7)/シキボウ/nishikawa

2024年12月18日 (水曜日)

〈シキボウ/中国内販を強化/糸や臭気対策品拡販へ〉

 シキボウは、中国内販を強化する。上海市にある寝装品の縫製会社の定款を変更して貿易会社に移行。幅広い商品を扱えるようにして、2層構造糸をはじめとした特徴のある糸売りや、中国で採用実績が増えつつある臭気対策剤「デオマジック」の拡販を図る。

 羽毛ふとん“側”(中わたを入れる前の半製品)やカバーの縫製を担ってきた上海敷島家用紡織の定款を変更して、7月に敷紡〈上海〉国際商貿となった。寝装品の縫製は元々外注主体になっており、引き続き協力企業を活用して継続する。社内にサンプル試作機能も残す。

 貿易会社になったことで、これまでより幅広い商品を扱える形になった。吸水速乾の機能を持つ2層構造糸「クイックドライコットン」や、糸表面の光沢が増し、発色性にも優れる連続シルケット加工糸「フィスコ」などの糸売りを強める。

 さらにデオマジックの拡販を図る。デオマジックは、臭いを消す消臭とは異なり、不快な臭いを薬剤の成分で取り込んで、ナッツ、フルーツ、フローラルの香りに変える効果を持つ。国内の産廃処分場や畜産、バイオマス発電といった産業用途でも広く使われているが、採用が増えつつある中国での販売を拡大する考えだ。

 中国には敷紡貿易〈上海〉もあるが、同社はニット・製品関連、敷紡〈上海〉国際商貿は寝装・織物関連とすみ分ける。

〈nishikawa/同志社大・米井教授と検証/“幸せホルモン”が増加〉

 nishikawaはこのほど、同社の4層特殊立体構造マットレス使用による睡眠の質改善で、“幸せホルモン”といわれるオキシトシンの分泌が増えると発表した。自社研究機関である日本睡眠科学研究所と、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一教授との共同研究で検証された。

 米井教授は抗加齢医学(アンチエイジング)研究の第一人者で、これまでも同マットレス使用による睡眠の質への作用を共同研究。成長ホルモンの分泌促進や酸化ストレス減少などの「アンチエイジング効果」をはじめ、「糖尿病予防効果」「肌質改善」「腸内環境正常化」「更年期症状・月経前症候群の一部症状改善」を検証した。

 今回は、軽度の睡眠障害を自覚する45~65歳の男女12人に、普段の寝具と4層特殊立体構造マットレス(「エアーSX」)で各7日間就寝し、それぞれ5~7日目に睡眠の主観評価、心理検査、唾液中のオキシトシン分泌量を検査した。その結果、睡眠の質は改善し、特に女性で心身のストレス軽減、就寝前の唾液中のオキシトシン分泌量増加が見られた。

 オキシトシンは分娩時の陣痛促進や乳腺を刺激し母乳の分泌を促す働きに加え、他者への信頼感・共感力の向上、不安緩和や心身のリラックスなどの働きがある。一般的に好刺激(母親では乳児からの五感刺激、母親以外でもスキンシップなどの触刺激)によってオキシトシンは分泌され、ストレスがあると分泌されにくくなるという。

 米井教授は「今回、オキシトシンが抗ストレスホルモンであることが分かった。寝具が合わず睡眠に不満がある状態はストレスで、起床時のオキシトシンは上昇するが、起きている間の好刺激による分泌が妨げられてしまう。自分に合った適正な寝具で睡眠不満ストレスを解消すると、好刺激によるオキシトシン分泌は増えて多幸感、リラックス感が得やすくなる」と説明した。