マルオリグループ 25年売上高350億円へ
2024年12月17日 (火曜日)
丸井織物(石川県中能登町)を中核会社とするマルオリグループは来期(2025年12月期)、連結売上高350億円を狙う。テキスタイルビジネスユニット(BU)は生産品の高度化や海外市場での拡販に注力するとともに、エアジェット織機(AJL)への投資を計画する。オンデマンドBUは、アイテムの拡充や海外展開への投資を進める。
テキスタイルBUは、今期に比べ10%の増収を狙う。特に海外を伸ばす考えで、米国や欧州、中国などの市場に注力する。「パフォーマンスデイズ」や「インターテキスタイル上海」など海外展への出展も継続する。
生産品種の多様化や高度化に合わせ、AJLの比率を高める。来年夏にウオータージェット織機(WJL)との入れ替えでAJL100台を導入する計画で、来年秋には本格稼働させる。
これでAJLは464台になり、保有する織機はWJLとAJLがほぼ半分ずつになる。高付加価値化に注力する中、ユニフォーム用途を含めて生産品種が広がっていることなどが背景。用途のさらなる拡充や使用する素材の多様化に対応するため、汎用性の高いAJLを増設する。
AJLと入れ替えるWJLは協力工場に導入し、サプライチェーンを整える。海外販売の進捗(しんちょく)を見ながら、海外での生産の在り方も検討していく。
オリジナルグッズのオンデマンドサービス「UP―T」(アップティー)を柱とするオンデマンドBUは、今期比20%増を狙う。柱のTシャツ以外のアイテムを拡充するとともに、海外にも市場を広げていく。
アイテムを拡充するため、アップティー用の生産を手掛けるアップティー社(金沢市)は、フィギュア用の3Dプリンターやフードプリンターなども導入する。米国や韓国など海外で伸ばすための投資も進めていく。
丸井織物が保有するIJ機は、来年1月にアップティー社に移管して体制を整える。
今期は300億円超に
マルオリグループの今期(24年12月期)は、連結売上高300億円超となる見通しだ。テキスタイル、オンデマンド、産業資材、トレーディングの全BUが増収を見込む。
テキスタイルBUは1月の能登半島地震で被災した影響があったが、早期復旧で挽回した。米国向けなど海外販売がけん引役。オンデマンドBUは20%の増収となる見通しで、来期以降のさらなる拡大に向けて投資していく。
産業資材BUは、新規分野としてメルトブロー不織布が量産体制に入ったこともあり、増収を見込む。トレーディングBUはレインウエアやユニフォーム製造のカジメイク(富山県高岡市)を子会社化したこともあって増収となる見通し。
中期計画で来期の最終年度目標としていた連結売上高320億円は、今期に前倒しで達成する見通し。来年2月から26年スタートの新中計の策定作業に入る。