ごえんぼう

2024年12月13日 (金曜日)

 隣人から柿を頂いた。娘さんの嫁ぎ先の庭の柿の木で採れたそうで、30個以上あった▼柿好きの筆者と息子もさすがに食べきれない。「食べ過ぎると“柿胃石”ができるらしい」と、スマホで検索した息子は心配そう。甘柿は干し柿にも向かないので友人らにお裾分けした。ヘタが変色したり、皮に黒い傷のようなものがあったり、見映えは良くないが、「有機栽培ね」と喜ばれた▼干し柿には渋柿がいい。実は甘柿より糖度が高く、果肉の質も良いため。皮をむき干すことで、アセトアルデヒドが発生し、渋味の元であるタンニンと結合。タンニンが不溶性に変わり唾液に溶けないため渋味を感じず、甘さが際立つ。甘柿の場合、成熟とともに不溶性になる▼渋は柿の短所のようだが、未熟な種子を鳥などから守り、漁網や建物などの防水・耐久性向上にも重宝されてきた。人も短所を断じるよりも、カバーして生かすことが大事だろう。