新内外綿 SDGs糸で初の見本帳
2024年12月12日 (木曜日)
綿紡績の新内外綿(大阪市中央区)は、2025年の早い段階で、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献や環境保全につながる紡績糸をひとまとめにした見本帳を作る方向で調整を進めている。同社が“環境”をテーマとした見本帳を作るのは初めて。
国際認証を取得したオーガニックコットン素材に加え、独自に開発した竹、葦(ヨシ)、ヘンプ、パイナップルといった、これまで衣料用には使われてこなかった未利用繊維と綿の混紡糸などが収録されるもよう。
近年、ファッション産業で“環境”に関連した取り組みが増え、それに合わせて同社は、原料生産から紡績までの一連のトレーサビリティーの高さや繊維そのものの物性などを通して環境への貢献が期待できる糸を次々と開発してきた。
今年は1月に高いトレーサビリティーも持つオーガニックコットン糸「エーゲ海オーガニック」の取り扱いを始め、8月には親会社のシキボウと廃棄されるカキ殻由来の保温機能繊維「シーウール」を使った紡績糸を開発、そして11月には1年がかりで改良を重ねてきたパイナップル繊維混の紡績糸の販売をスタートした。
アパレルでは新たな観点で環境に貢献する企業姿勢を消費者に伝えようと、環境に配慮した糸使いの製品開発に取り組む企業は増えている。一部ではSDGs調達を推進するための専門部署を置いて、糸や原料を選定する企業もあるという。
今回の新たな見本帳は、そうしたアパレルに対して新内外綿の“環境”素材を効率的にアピールする狙いがある。同社は糸に加え、独自のアパレルブランドや縫製品OEMも行っているため、糸、最終製品の両方の部署で連携を取って、見本帳を使いながらオリジナルの環境配慮糸の提案に力を入れる。