特集 スクールスポーツウエア(3)/スクールスポーツ事業インタビュー/25年入学商戦は/トンボ/明石スクールユニフォームカンパニー

2024年12月11日 (水曜日)

〈トンボ スポーツ商品本部 スポーツ商品部副部長 高橋 聡一 氏/新規採用想定通り/昇華転写能力を増強〉

――スクールスポーツ事業における、来入学商戦に向けた進捗(しんちょく)は。

 新規で200校ほどの受注を獲得するなど、想定通りに進んでいます。新規注文を10月末で締め切るなど、確実な納品を優先するための施策も打っています。

――体育着の各ブランドの販売状況について教えてください。

 「ビクトリー」「ヨネックス」「アンダーアーマー」という主力3ブランドにそれぞれの強みや特徴があり、採用が決まっています。

 アンダーアーマーは本格的に展開を始めて2年目になりますが、ブランド指名で採用いただけるほど好評です。ビクトリーは9年前にリブランディングして以降、ウオームアップウエアの「ピストレ」、昇華転写プリントなどを取り入れながら、ブランド力を高める活動をしてきました。4、5年前からブランド認知が向上しています。今後も新しいエッセンスを加えながら、ブランドをブラッシュアップしていきます。

――昇華転写プリントの採用が進んでいます。

 昇華転写プリントは、デザイン面で差別化ができるという点からニーズは高いです。新規採用校の7~8割は昇華転写プリントを採用しています。

 高まる需要に応えるため、生産能力の強化も進めています。紅陽台物流センター(岡山県玉野市)に隣接する土地建物を購入し、美咲工場(同美咲町)にあった昇華転写の設備をこちらへ移設しました。プリンターと転写機を新たに増設し、7月から稼働を始めています。来春に向けて戦力になってきます。

――体育着のニーズに変化はありますか。

 今年は猛暑で、夏季にはハーフパンツで過ごしてもよいという学校も一部で出てくるなど、制服の部分にポロシャツといったスポーツ素材が入ってきています。機能面ではUVカットなど、涼しく快適に過ごせるような機能がより必要になってくるでしょう。

――価格改定の進捗は。

 3年計画で動いており、学校へ改定のお願いを引き続き行っていきます。

〈明石スクールユニフォームカンパニー 取締役営業企画部門管掌兼 スクール営業部統括部長 榊原 隆 氏/新ブランドがけん引/“本物志向”が市場で評価〉

―スクールスポーツ事業の来入学商戦に向けての進捗(しんちょく)は。

 新規注文を早めに締め切るなど、早期対応によって生産は計画通りです。新規校からの受注も今春以上に獲得できるなど、順調に進んでいます。

――その要因は。

 各ブランドともおおむね順調でしたが、中でも来入学商戦を皮切りに提案を始めている新ブランド「FEEL/D.」(フィール/ディー)が大きくけん引しました。

 同ブランドは素材からデザインまでこだわっています。軽量で伸縮性もあり、防風機能も持つ生地をメインに、通気性が必要な部分にはメッシュ生地を使うなど、多くのパーツで構成されていることに加え、シンプルなデザインでありながらも機能性が高い部分が評価されています。

 来入学商戦では50校ほどの採用を得ました。体育着のニーズがブランド志向から、機能性などを重視する本物志向へと変化する転換点にある今、市場で評価を頂けたと考えています。

――その他のブランドの販売状況は。

 「デサント」も引き続き堅調で、来入学商戦の実績を含め、累計採用校数は2400校ほどになりました。

 長年展開してきた自社の定番ブランド「ヨットスポーツ」もこのほどリブランディングしました。パターンを見直したほか、日焼け防止機能を盛り込むなど、着心地や安全性などの面から商品を刷新し、親しみやすいブランドにリニューアルしています。こちらも小、中学校を中心に採用増につながりました。

 カジュアルテイストのシンプルなデザインが特徴の「アスリッシュ」も堅調で、「ポロシャツだけはアスリッシュで」など、単品での採用も増えています。

――価格改定の進捗を教えてください。

 当社ではいち早く価格改定に動き、おおむね改定は順調に進んでいます。

――スクールスポーツ事業における設備投資の計画は。

 大きな設備投資の計画はありませんが、好調なフィール/ディーの企画に携わるスタッフの充実を図っていく予定です。