特集 スクールスポーツウエア(2)/スクールスポーツ事業インタビュー/25年入学商戦は/菅公学生服

2024年12月11日 (水曜日)

〈菅公学生服 営業本部企画推進部 スポーツ企画推進課長 勝山 裕太 氏/「カンコー」ブランド順調/プレミアムは累計600校超に〉

――来入学商戦に向けての進捗(しんちょく)は。

 安定生産、安定納品に注力するため、昨年に引き続き新規注文の締め切りを早めていることから、受注が大きく増える見込みはありませんが、来春に向けては計画通りに推移しています。

――体育着の各ブランドの販売状況はいかがですか。

 やはりハウスブランドの「カンコー」が順調です。防風や耐久性といった機能面が充実する「カンコープレミアム」を中心に販売が好調で、同ブランドは来入学商戦の実績を含めて累計採用校数は600校超となりました。

――今年発表した新ブランド「カンコーブルイク」の販売状況は。

 スポーツバッグやゴルフバッグなどのOEMを手掛けるEQ japan(千葉県松戸市)が展開するスポーツブランド「ブルイク」とのコラボレーション商品となります。

 当社では以前からブルイクのスクール・スポーツバッグを販売してきています。こちらを採用している学校を中心に提案を進め、来春では4校の採用が決まり、翌々年の春に向けても数校の採用が決まっています。シルエットや、ニュアンスカラー使いなど、今までの体育着とは違ったテイストが評価されています。

――スクールスポーツ分野でのニーズの変化はありますか。

 制服と体育着の垣根がなくなってきています。特に今年は猛暑でした。ポロシャツが制服兼体育着のような形で着用されるとともに、制服の代わりにハーフパンツをはいてきてもよいという学校も一部で出てきました。この動きは今後加速していくのではないでしょうか。

 また、ファイテンとのダブルネーム「カンコー×ファイテン」では、数年前からパーカを提案しており、こちらが決まっていっています。以前は生徒指導の面などから学校側にネガティブなイメージを持たれていたアイテムですが、意外にも抵抗がなくなり、受け入れられています。

――価格改定の進捗は。

 エリアによって濃淡はありますが、原材料価格などの高騰が続くなど厳しい状況の中、価格改定は進めていきます。また、経年の長い体育着については定番商品に刷新してもらうなど、現在の主力素材に置き換えることによるコスト削減も進めています。

〈菅公学生服/新商品勉強会で情報共有/学生服、体育着の新企画披露〉

 菅公学生服は、全国数カ所で新商品や新企画を共有する場として、新商品勉強会を開いている。営業スタッフを中心に、生産部のスタッフも参加しながら、制服や体育着の新素材などについて共有している。

 同社では新型コロナウイルス禍前までは総合展を開いていたが、コロナ禍後は地域に密着した地域展に注力している。ただ、「総合展がなくなってから、新商品などを社員に伝える場がなくなった」(勝山裕太営業本部企画推進部スポーツ企画推進課長)。そのため、各地で新商品勉強会の開催を始めた。

 制服や体育着で、ブランドごとに新企画を発表。商品の詳細に加え、“コト”の部分も共有する。勝山氏は「普段、企画と営業のスタッフが話すことは少なく、いろいろな要望が出るほか、さまざまな声を拾うことができる。良い機会になっている」と説明する。

 3年目となる今年の勉強会でもさまざまな新商品の企画が披露された。

 制服としては25校で採用がある「ビームススクール・プロダクト・バイ・カンコー」の2025年企画は、トレンド性も取り入れた伝統的な“ビームスらしい”コーディネートを取り入れる。キルトベストやスタジアムジャンパーなど新たなアイテムも充実。

 キルトベストは保温性に優れた中わたを使用しており、合服スタイルでも快適に着用できる。スタジアムジャンパーは、冬の校内着や通学時のアウターとして着用可能だ。

 スクールスポーツでは、ファイテンとのダブルネーム「カンコー×ファイテン」の25年企画を発表した。

 23年に制服提案もスタートさせた同ブランドだが、25年企画では体育着と連動させたセットでの提案を行う。体操服のカラーを制服のスカートの柄やネクタイ、リボンに差し色として取り入れるなどデザインに統一性を持たせ、体育着を校内着や体温調節用のアイテムとして使ってもらうことを想定。また、登下校時に制服と組み合わせて着用しても違和感がないデザインに仕上げた。