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ボーケン品質評価機構/独ゴーブルーと業務提携/ZDHCの第三者検証業務で

2024年12月10日 (火曜日)

 ボーケン品質評価機構(ボーケン)は今年8月、繊維・皮革産業の有害化学物質排出ゼロを目指す非営利団体ZDHCの認定ソリューションプロバイダーの一つであるドイツのゴーブルーと提携した。ボーケンはZDHCの化学物質在庫表の第三者検証機関であり、ゴーブルーとの提携によって担当する監査業務の利便性が一段と高まる。

 ZDHCのプログラムに参加する企業は、製造時制限化学物質リスト(ZDHC MRSL)に適合するように化学物質を調達、使用、排出しなければならない。調達と使用の具体的データはZDHC認定ソリューションプロバイダーのアプリケーションに登録することを通じて適合性を判断し、パフォーマンス・インチェック(PIC)リポートが発行される。

 さらに、発行されたPICリポートの化学物質在庫表にある化学物質が工場など施設に実際に存在するかを第三者検証機関が監査し、適正に保管・使用されていると判断すればインチェック適合マークが発行される。ボーケンは2023年からZDHCのインチェック監査の第三者検証機関になっている。

 一方、ゴーブルーは、ZDHC認定の化学物質管理アプリケーション「BHive」を提供する。ZDHCメンバーのナイキやプーマ、メンバー以外でもZDHC MRSLを導入しているギャップなどがBHiveを採用している。

 ボーケンはこれまでも他の業務提携先などのアプリケーションを使った監査を実施してきたが、ゴーブルーと提携したことでBHive採用企業のインチェック監査もワンストップで実施することができるようになった。選択肢が広がったことで監査依頼企業の幅広いニーズに対応できるなど利便性が一段と高まった。

 このほど来日したゴーブルーのマネージングディレクターであるラース・ドゥーマー氏は「当社は繊維産業向けにリソースを集中させており、BHiveも繊維産業向けに開発された点が強み」と強調する。監査業務を担当するボーケンの木村英司認証・分析事業本部長も「BHiveは他のアプリケーションと比べて日本語対応などの面で使い勝手が良く、コストパフォーマンスにも優れる」と話す。