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帝人/蘭サーキュライズ社へ出資/カーボンニュートラルに貢献

2024年12月06日 (金曜日)

 帝人は、ブロックチェーン(分散型台帳)を用いたトレーサビリティー管理システムを展開するオランダのサーキュライズ社への出資を決めた。サーキュライズ社が持つ技術とノウハウを活用し、サプライチェーン全体における資源の効率的かつ有効な利用を促進する。

 2050年のカーボンニュートラルに向けて付加価値の最大化を目指すサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現が求められている。そうした中、欧州では製品がいつ、どこで、どのような素材を用いて生産・使用・廃棄されたのかを網羅的に把握できるデジタルプロダクトパスポート(DPP)の導入が予定されている。

 製品の流れを追跡するシステムの普及が不可欠とされるが、サーキュライズ社は、独自の技術を用いた信頼性の高いトレーサビリティー管理システムを開発。このシステムの普及に向けて協業するパートナーを探していた。帝人は、カーボンニュートラルに貢献できると考え、出資を決定した。

 帝人は、サーキュライズ社のデジタル・トレーサビリティー・プラットフォームを活用し、自社で生産する製品やサービスが関わるサプライチェ―ンの透明性や信頼性の向上を図る。

 また、同プラットフォームを通じて、サプライチェーン上のあらゆる製品の二酸化炭素排出量を把握し、環境負荷の低い原料を調達する。これによって顧客が求める循環型経済の実現に貢献する新しい製品やサービスの開発を進める。