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豊島 製造業向け商材拡販へ

2024年12月04日 (水曜日)

 豊島はさまざまな製造業や屋外作業従事者の安全を守る観点に着目し、工業系資材や機能を持ち合わせた作業服などの拡販を狙う。これらの商材を、このほど開かれた異業種交流展「メッセナゴヤ2024」で出展した。

披露した商材をもとに、各種製造業の意見を聞きながら、個別のニーズに合わせて仕様面の改善を図る。

 高温時の屋外作業や重い荷物を運ぶなど、過酷な労働環境に役立つ3種類の機能付与型作業服や関連商材を打ち出す。暑熱環境下でのリスクをLED表示で知らせる腕時計型のバンドや、ペルチェ素子式ベストの提案を強化する。ペルチェ素子は背中の上部に取り付けるもので、76平方㌢の表面面積を持つプレートが冷却効果を果たす。

 腰部分を引き締めて背筋と体幹を適切な姿勢に保つロングパンツもそろえる。背中から下の腰部分に複数のワイヤーが供えられ、それを引っ張って腰や骨盤を安定させる。重い荷物の持ち運びや、良い姿勢を保つといった効果が期待できる。

 特にペルチェ素子式のベストと体幹サポートパンツへの注目度が高く、企業向け導入への商品化を進めていく。これとは別に、ヘルメットの内部にペルチェ素子を配するなど、頭部を守りながら冷却効果を両立する商材の開発要望もあると言う。

 同重量比の鋼鉄の15倍の強度で、水に浮くほどの軽さや耐切創性、耐摩擦性を持つ超高分子量ポリエチレン繊維「ダイニーマ」の特性を生かして開発した工業用チェーンも注目度が高い。一般的な鉄製チェーンとの比較では、重さが8分の1から10分の1程度ながら同等の強度を備える。

 鉄や金属製の工業資材に変わる素材としての提案を強化していく。複数の企業からの問い合わせがあると言う。商品化しているハーネスなどの関連商材を合わせて販売拡大を狙う。

 担当者は「労働安全への取り組みに、手軽かつ手頃な費用から取り組める点を訴求する。作業従事者の快適な労働環境づくりに寄与したい」と話す。今後も開発・販売面で連携を図りながら、包括的な提案ができるように足並みをそろえる。部署を超えた取り組みの強化で新たな市場を切り開く。同社建設部との連携も深める。