ごえんぼう
2024年12月02日 (月曜日)
「再建というものは自分達でやるもの、君ら一人一人が再建するんだ」(『ユニチカ百年史』)――これは1972年~74年にユニチカの社長を務めた小幡謙三氏が残した言葉だ▼同社の歴史を振り返ると、構造改革の連続だった。特にこの30年で衣料品の単価は半額以下になった一方で、供給量はほぼ倍増。業界にはずっと淘汰(とうた)の波が押し寄せている▼2014年には銀行から金融支援を受け構造改革を進めてきたが、先月28日、ついに祖業の繊維事業からの撤退を発表。会見で上埜修司社長は苦渋の表情を見せつつも、官民ファンドの支援によって「存続するための最後のチャンスを頂いた」と述べた▼「人間というものは自信を持たなきゃいかん。自信なんてものはほんとにデリケートなもの、それを失わせないようにするのがわれわれの務め」とも小幡氏は話している。同社にはまだまだ優れた技術力がある。自信を持って。