東洋紡せんい “機能+サステ”総合提案

2024年11月28日 (木曜日)

 東洋紡せんいは、“機能+サステイナブル”をテーマに総合的な提案を強化する。特に環境配慮素材は綿、ナイロン、ポリエステルの3素材それぞれで戦略素材に提案を集中するなどラインアップを整備した。近年、さまざまな環境配慮素材が登場する中、同社は具体的な生産・供給システムまで整備した戦略商材を打ち出す。

 綿素材は、新方式開繊技術を活用したリサイクル綿糸「さいくるこっと」を重点提案する。既存方式の開繊技術による反毛原料は繊維長が短く、細番手糸や100%糸の生産が難しいが、さいくるこっとは繊維長が維持されるため、細番手糸や100%糸が可能。同社が得意とするインナー用途に加えて、デニムなど新たな用途からの引き合いも増えるなど注目度は高い。

 ナイロンはリサイクル糸「ループロン」を打ち出す。マスバランス方式ケミカルリサイクル糸「ループロン―C」とマテリアルリサイクル糸「ループロン―M」の2タイプを用意。特にループロン―Cは食品衛生法にも対応しているため食品包装材や食器、デンタルフロス用糸などにも使用できるため、衣料用途だけでなく資材用途でも可能性が広がる。

 ポリエステルは、グループ内の工場で発生する端材や残糸・残反を原料として再利用する「T2T」を提案する。国内やインドネシア、ベトナムの自家工場や協力工場から回収した原料を台湾の協力工場でマテリアルリサイクルする仕組みを構築した。

 また、原糸では長短複合紡績糸「マナード」は従来のウール・ポリエステル複合だけでなく、シルク・ナイロン複合やリネン・ポリエステル複合もラインアップに加え、「ネイチャー・ブリッジ・マナード」として打ち出す。こちらもナイロン繊維はループロン―C、ポリエステル繊維には再生糸を使用する。

 これら提案は、28日まで綿業会館(大阪市中央区)で開催中の同社総合展示会でも披露している。