繊維ニュース

メルカリ/新作ゼロのショー開催/オンワード樫山など協力

2024年11月26日 (火曜日)

 フリマアプリのメルカリは22~24日の3日間、持続可能なファッションの楽しみ方を提案するイベント「グリーンフライデープロジェクト」を商業施設「東急プラザ原宿 ハラカド」(東京都渋谷区)で開催した。5回目となる今回は、オンワード樫山やアダストリアなどアパレル関連企業11社が協力。初日の22日はアパレルブランドのリユース品やアップサイクル品のほか、イベントに伴い回収した衣服を使った「新作ゼロのファッションショー」を開いた。

 オンワード樫山は、顧客から回収した衣類を古着として販売している。昨年度からは検品で再販の基準に達しなかった衣類を中心に、社員が新たな製品に作り替えて販売するアップサイクルの取り組みも始めた。一方、アダストリアが運営する若年層向けのモードブランド「ハレ」は、商品開発時に出るサンプルをリメークして販売するプロジェクト「アールイー」を展開している。どちらも1点物の商品で、決して安くはない。

 新作ゼロのファッションショーでは、こうして生まれた1点物も衣装として提供された。メルカリ利用者や協力企業のスタッフ、インフルエンサーら16人のモデルがさまざまなファッションを披露した。

 また期間中は不要な衣類を持参すると、協力企業のリユース品や回収衣類と交換できる物々交換ブースを設置。ほかにも、回収衣類を活用して子供がアップサイクル品を作ったり、持ち込んだ衣類に消費者自身が刺しゅうを入れたりする体験会などが行われた。

 22日に開いた記者説明会で、メルカリの河野秀治執行役員は「捨てる以外のアクションを試すきっかけとして、価値の循環を体験してほしい」と述べた。オンワード樫山の山本卓司サステナブル経営グループサステナブル経営Div.長は「企業や団体、行政が連携して社会全体で循環型ファッションを啓発・普及させていくことが重要」と語った。

 オンワード樫山とアダストリア以外に、ゴールドウインや古着専門店「ラグタグ」を手掛けるワールドグループのティンパンアレイ(東京都品川区)、ベイクルーズ(同渋谷区)、豊島など過去最多の11社が協力。環境省や経産省、消費者庁も応援メッセージを寄せた。

 米国発祥の大型セール「ブラックフライデー」に対抗する形で、欧米を中心に始まったのがグリーンフライデー。持続可能な消費を啓発する取り組みで、ブラックフライデーと同時期(11月末)に開く。