新時代に向かう 商社繊維事業 4~9月期決算から(2)
2024年11月26日 (火曜日)
コスト増が利益を圧迫
スポーツ事業堅調 伊藤忠商事
伊藤忠商事繊維事業の連結業績は、収益2768億円(前年同期比7・2%増)、売上総利益622億円(1・8%増)、営業利益110億円(4・9%減)、純利益126億円(9・8%増)だった。
訪日外国人観光客需要の継続や成長期待領域であるスポーツ分野が堅調に推移したことで増収となった。経費の増加をカバーしきれず営業減益を計上した。
主要関係会社の連結取り込みの純利益は、デサントが28億円、ジョイックスコーポレーションとドームが0、エドウインが1億円、三景が10億円となり、レリアンは2億円の損失に陥った。
通期は、デサントの完全子会社化に伴う一過性利益を織り込み、純利益が期初計画より400億円増額の730億円を見込む。スポーツ分野の事業基盤強化、ブランド事業の磨き、OEM事業の収益の積み上げなどで業績向上を図る。
輸出と外・外で増収 蝶理
蝶理繊維事業の連結業績は、売上高748億円(前年同期比6・4%増)、営業利益37億円(5・7%減)、経常利益39億円(7・1%減)だった。
売上高は、輸入が11・8%減の251億円と低調だったものの、国内が12・8%増の210億円と拡大し、輸出、外・外もベトナムや中国事業の好調、香港法人経由北米向け拡大などにより23・5%増と伸ばした。
利益は前期に過去最高を更新しており、今期は減益を想定していたが、原料販売の収益性向上などによりやや上振れた。減益の主な要因は初任給や賞与の引き上げ、大阪本社の移転費用など「働きやすさを向上させるために必要な先行投資」。
連結の中核の一つであるSTXは、雑貨関連の好調、前期までに不採算事業からの撤退を進めたことなどにより増収増益だった。
ファイバー好調 GSIクレオス
GSIクレオスの連結業績は、売上高796億円(前年同期比12・4%増)、営業利益18億500万円(4・8%増)、経常利益16億7800万円(6・9%減)、純利益12億3700万円(4・6%減)で増収営業増益を果たした。ファイバー、アウター、インナーから成る繊維事業では、ファイバーが好調だった。
そのファイバーは、売上高462億円で25・6%増、営業利益3億3600万円で28・3%増。インナー用機能糸・生地の取引が最終製品の需要が堅調で拡大した。
アウターは、売上高90億5500万円で10・3%減、営業利益は6億700万円で22・6%増えた。インナーは、売上高68億900万円で2・6%増だったが、営業利益は1億2300万円で52・1%減。
通期の業績予想は売上高1500億円(2・6%増)、営業利益31億円(7・6%増)、経常利益31億円(3・4%増)、純利益22億円(8・9%増)。