帝人フロンティア「ソロテックス」 今年度売上高130億円へ

2024年11月25日 (月曜日)

 帝人フロンティアは、ポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」の販売を伸ばしている。新型コロナウイルス禍の影響が大きかった2020年度(21年3月期)は数字を落としたが、以降は拡大基調が続き、24年度は売上高130億円を計画する。来年度以降も海外を中心に成長を図る。

 ソロテックスは、02年に販売が始まったロングセラー素材。柔らかさや発色性などの感性面の特徴と、ストレッチ性やシワになりにくいといった機能性を兼ね備え、ファッションやユニフォームを中心とする衣料から生活資材・産業資材まで多くの用途で採用が進む。

 海外オペレーションやインフルエンサーを活用したブランド戦略、デジタルマーケティングなどが奏功し、販売が拡大している。19年度で100億円に近かった売上高(原糸・原綿、生地、衣料品などの合計)は、20年度は72億円に落ちたが、その後は回復。22年度に100億円を超えた。

 海外オペレーションでは、中国でポリエステル長繊維を中心とする化合繊織・編み物製造・販売の南通帝人で原糸、原綿の備蓄を開始し、タイでは合繊織布・染色加工のタイ・ナムシリ・インターテックスで生地開発を強化。糸・生地商社との連携で小ロット・短納期対応も可能にした。

 今年度(25年3月期)は130億円の売り上げを目指す。内訳は日本国内が7割で、海外が3割だが、スポーツウエア用途の海外展開が増えている。25年度以降も継続成長を図る方針で、グローバルスポーツアパレルなどに伸び代を求める。将来は海外比率を5割にまで高めたいとしている。