大和紡績 環境配慮素材を拡充
2024年11月22日 (金曜日)
大和紡績は、環境配慮型素材を拡充している。リサイクルポリエステルを米綿で包んだ2層構造糸「ツインレット」の販売が引き続き好調。グループに機能レーヨンを豊富に展開するダイワボウレーヨンがある強みを生かした生分解性素材の開発も活発化させ、志向が高まるサステイナビリティーへのニーズを捉える。
ツインレットは2層構造糸「セルピー」の環境配慮型素材を使ったタイプで販売が急増。今期(2025年3月期)も引き続き販売量が前期比2割増になる見通しで、カジュアルのTシャツ向けで採用が多い。
吸水速乾性があり、糸の表面が綿であることから肌触りの良さが特徴。ワッフル生地の場合、製品にすると重たくなるが、ツインレットは芯がポリエステルであることから見た目に比べ軽くなり、寸法安定性にも優れる。
芯にリサイクルナイロンを使った「ツインレットN」も販売。柔らかくかさ高性のある生地となり、風合いも良く、レディースやスポーツなどへも販路を広げる。ナイロンは(GRSグローバル・リサイクルド・スタンダード)認証を取得しており、環境配慮の面でも訴求できる。芯に生分解性ポリエステル「パルテラ」使いなどの素材開発も進める。
来年に向けて販促を強めるのが、綿と機能レーヨンを組み合わせた特殊紡績糸「セルハーモ」。綿100%でありながら合繊並みの速乾性を持つ「ミラクルドライ」と同じ特殊紡績によって、毛羽立ちが抑えられ、長く奇麗な外観を保つほか、Tシャツやインナーに適したハリのある風合いに仕上げた。セルロース100%で生分解性をうたえる。
グループのダイワボウレーヨンが展開する機能レーヨンとの組み合わせも可能。遮熱・UVカット「レイシールド」や消臭「パラモス」、防虫「バグノン」、抗菌防臭「バクトフリー」と混紡できる。レーヨンの混率は30~50%が中心で、基本的にOEM製品での供給となる。
後加工ではフッ素フリー化も進め、天然由来の撥水(はっすい)剤を使った撥水加工「レインペットNW」、汗染み防止の「リペルーフNW」を展開。欧米でPFAS(有機フッ素化合物)規制が進む中、問い合わせが増えていると言う。