特集JIAM2024OSAKA(1)/国際アパレル&ノンアパレル生産技術見本市~次世代技術と匠の技のコラボレーション~

2024年11月21日 (木曜日)

〈11月27~30日、インテックス大阪で/初開催から40周年〉

 縫製機器関連の国際展示会「国際アパレル&ノンアパレル生産技術見本市 JIAM2024大阪」(JIAM)が27~30日の4日間、インテックス大阪で開かれる。縫製関連工程を支える世界最先端の機器、技術、サービスが一堂に集う。主催は日本縫製機械工業会(JASMA)。

 JIAMは今回で13回目を迎える。縫製機器だけでなく、あらゆるモノをネットにつなぐIoTや人工知能(AI)を活用した機器・生産管理システム、ロボット技術、CAD/CAMなど製造工程の自動化・効率化を支援する最先端の機器、技術、サービスが世界から大阪に集結する。

 出展企業数は前回展(2022年)比で7社増の157社。そのうち国内企業は17社減の95社、海外企業は24社増の62社。累計小間数は58増の988小間と拡大した。来場者数も前回の1万人強から大幅な増加が予想される。

 初回の1984年から40周年を迎える。繊維製品の生産地が中国や東南アジアへとシフトする中、日本国内での繊維機械の国際展示会はこの半世紀で次々と消えていったが、JIAMは今もなお、世界初の最新技術を発信する場として継続している。

 今回、初めて展示会の名称に“ノンアパレル”という言葉を入れた。これにより従来のファッション・アパレル縫製という枠組みに縛られない、あらゆる縫製に関連した技術革新が1カ所に集う展示会に生まれ変わる。新たに物流、自動車、航空・宇宙産業、インテリア・家具・住居といった領域からも最新技術やサービスが披露される。

 海外からの出展小間数は前回比約2倍に拡大し、JIAMを大きな商機として捉えていることがうかがえる。会場では、台湾縫製機械協会、中国縫製機械協会、ドイツ機械工業連盟縫製・皮革機械協会がそれぞれ独自にパビリオンを設ける。

 工業用縫製だけでなく、ホームソーイングゾーンも充実しており、縫製に関心のある一般客が楽しめるコーナーもある。家庭用ミシンメーカー3社とJASMAによるソーイング体験ワークショップが企画されており、業務用ミシンを使って小物入れを製作する。

 27日午後1時25分からインテックス大阪国際会議ホールで、機械システム振興協会の特別協賛で、「縫製技術の課題解決に向けて」をテーマにしたシンポジウムが開かれる。経済産業省による特別講演に加え、JUKI顧問の中村宏氏、日本アパレルソーイング工業組合連合会副会長の白石正裕氏、東レACSの久保忠博氏、ファッションデザイナーの津村耕佑氏がプレゼンテーションする。

〈JIAM初の公式アプリ/会場巡りをより快適に〉

 今回のJIAMで、初めて公式アプリが誕生した。出展者検索やマップ上の気になる企業のブースをタップすればすぐに出展者情報にアクセスできる。さらにはデジタル版フロアマップといった便利な機能が盛りだくさん。事務局からの最新情報もすぐに手に入れられる。会場巡りをより快適にする心強い味方となりそうだ。

〈JIAM2024 OSAKA実行委員会 委員長 近藤 章吾 氏/縫製産業の未来が見える〉

 JIAM展の開催趣旨は、1984年の初開催以来、「世界最先端の技術や新製品を世界に先駆けて情報発信する国際展示会」というもので、それは現在に至るまで変わらず、常に世界初の新たな技術や新商品が展示される、先進的な展示会と位置付けられてきました。

 現在の技術進歩は目を見張るものがあり、まさにデジタルやAI(人工知能)による産業変革が進行中です。本展に出展される新しい技術を取り入れた各社の新製品は、アパレル・縫製業の姿を劇的に変えるインパクトがあります。本展を見れば、アパレル・縫製産業の未来の姿が見える――。そんな性格の展示会です。

 今回は自動車、産業資材などノンアパレル分野向け機器メーカーの出展勧誘にも力を入れました。出展者数は海外も含め157社、988小間となり、前回を上回る規模となっています。「世界に日本の技術を発信する」「世界の方々に日本文化の素晴らしさを体感していただける」見本市になると確信しております。

〈日本縫製機械工業会 会長 内梨 晋介 氏/日本のモノ作り技術を集結〉

 縫製機械業界を取り巻く環境は、新型コロナウイルス禍を機に大きく変わりました。市場環境や顧客ニーズの高度化、多様化が急速に進む中、業界は機械単体の生産性向上はもとより、デジタル技術やネットワーク技術を駆使したラインや工場全体の生産性向上、さらにはグリーンファクトリー化にも応える必要があります。

 今回のJIAM展は繊維、アパレル産業に加え、ノンアパレル分野など他業態のご支援、ご協力を得て開催されます。出展者の展示内容も市場が求める自動化・ロボット化、IoT・ネットワーク化の動きに対応してさまざまな工夫がなされています。

 出展される機器・システムは、ホームソーイング機器を含む縫製機械、繊維加工関連機器、CAD・CAM・刺しゅう、プリントなどの機器や情報技術など、日本のモノ作り技術を結集した機器が展示されます。前回展を大幅に上回る出展者数と出展小間数になりました。ぜひご覧いただきたいと思います。