特集 AFF・東京/小ロット・短納期など強み訴求/27~29日に開催/日本最大級で

2024年11月20日 (水曜日)

 日本最大級の素材・製品OEM/ODM展示会「第42回AFF・東京2024秋」が27~29日の3日間、東京ビッグサイトで開かれる。2万平方メートルの展示会場に、中国を中心とするアジアの企業が約800ブースを出展。中国生産の小ロット・短納期や、価格競争力のあるASEAN生産をアピールする。

〈上海申達進出口/カンボジアに自社工場〉

 内装地やシートベルトなどの車両資材大手、申達グループのアパレル子会社。中国の協力工場や、カンボジアの自社工場で、織物製と編み物製のさまざまなアイテムを生産する。

 仕向け地別売上比率は日本35%、欧州35%、中国国内30%。日本向けは、渋谷109系ブランドや百貨店アパレル、大手セレクトの製品の生産を日系商社経由で受託している。

 今後はカンボジアの自社工場を生かし、ロットの大きな新規顧客の開拓を図る。同時に小ロット・短納期の顧客は、中国生産で対応していく。

 初出展の今回は、サステイナブル素材や機能性素材を使った多彩な製品を出展する。

〈華紡/編み物・織物一貫の製品〉

 1976年に山東省浜州で設立された生地一貫のアパレルメーカー。織物と編み物の双方を手掛け、年間生産量は計6億メートル程度。製品は主に、アウトドアウエアと白衣などのユニフォームを展開し、年間生産量は約500万着に達する。

 輸出と内販を手掛けている。輸出が売り上げの9割を占める。主な仕向け地は欧米と豪州、日本向けは現状ほとんどない。今回展への出展を機に、日本向けの開拓を加速する。

 今回生地は、風合いや機能性にこだわった編み物を打ち出す。製品はアウトドアとカジュアルウエア、ユニフォームを出展する。

〈威海迪尚創新産業園管理/アウトドアやスキーウエア〉

 OEM/ODM大手の迪尚グループ子会社で、スポーツ、アウトドアウエアとカジュアルウエアを手掛けている。ミャンマーと、中国国内のグループ工場で生産する。

 同グループは1993年創業で、従来は欧州メガSPA向けがメインだったが、近年日本向けの開拓を加速している。2023年売上高の約40%が日本向けとなり、過去最高を更新した。

 同社は、日本向けを専門に手掛けている。年間取扱高は約6千万㌦で、日本の大手量販店やスポーツブランド向けが多い。今回展では、アウトドア、スキーウエアやカジュアルウエアなどを出展する。

〈威海慈迦尚服貿易/カジュアルなセットアップ〉

 2021年設立の日本向け縫製会社で、貿易一貫で手掛けている。自社工場と協力工場で、年間計約50万着を生産。織物製と編み物製に対応し、ジャケットやパンツ、スカートなどを得意としている。

 強みは、生地提案からサンプル生産、本生産、製品輸出まで、自社で完結でき、製品とサービス品質の安定性が高いことと自負する。

 売り上げの7割を直貿、3割を商社経由で展開。今後も日本向けにこだわり、新規開拓を続け、売り上げの拡大を目指す。

 2回目の出展となる今回は、通気性の高い素材使いのカジュアルなセットアップと、防風・防水機能を持つコートを打ち出す。

〈青島和佳誠貿易/リネン浴衣やガウンなど〉

 2020年に設立された浴衣やガウンなどのリネン製品メーカー。自社工場の月産能力は1万着。織物製と編み物製を生産している。

 日本向けに特化し、ほとんどを日系商社経由で手掛けている。23年取扱高は200万㌦。うちホテル向けのガウンや浴衣が約半数を占めた。その他は寝具、カバー類、タオル、エプロン、マットレスなど。

 円安の影響を受け、近年は新規開拓がままならない。そのため、AFF展に出展し、反転攻勢を図っていく。

 今回は、綿やポリエステル・綿素材の浴衣とガウン、寝装寝具を訴求する。新たに開発した経編み製アイテムも初披露する。

〈寧波宏華時装/編み物製レディースウエア〉

 1986年に設立した貿易一貫のアパレルメーカー。編み物製専業で、レディースのTシャツやカジュアルウエア、ワンピースを得意としている。自社工場(浙江省寧波)の月産能力は、約40万着。強みは、短納期対応と価格競争力の高さと自負する。

 大部分が日本向けで、商社経由で手掛けている。ここ数年の年間取扱高は約2千万㌦。今後は、日本で開かれる展示会に出展しながら、生地やデザインの提案に力を入れることで売り上げの拡大を図っていく。

 今回展では、プリントや刺しゅうなどのさまざまなレディース向けの加工をアピールする。

〈青島龍之衣貿易/織物製スポーツウエア〉

 2020年に設立された日本向けアパレル専門の貿易会社。織物製のカジュアルウエアを山東省の協力工場で生産している。年間取扱高は約200万㌦。管理層はいずれも20年以上の日本向け輸出の経験を持ち、日本の顧客のニーズに精通する。

 大部分を日系商社を経由して受託している。最終顧客は、ボリュームゾーンとベターゾーンのブランドが多い。近年は、オーダーの小ロット・多品種化傾向が続いており、売り上げの維持に腐心している。

 初出展の今回は、得意とする織物製スポーツウエアを目玉に据える。生地市場の素材を活用することで、小ロット・短納期に対応できることを訴求していく。

〈寧波市北侖兆宇進出口/高コスパ・QRの子供服〉

 2000年設立の縫製会社。浙江省寧波と安徽省阜陽の自社工場で、織物製と編み物製の子供服などのカジュアルウエアを生産する。月産能力は、2万5千着。裁断から縫製、検品、検針まで自社で一貫で手掛けている。

 強みは①価格優位性②短納期対応③商談から検品まで一つの窓口で完結できること④QRに対応していることと自負する。

 仕向け地別売上比率は、欧米50%、日本40%、中国国内10%。日本向けは、日系商社経由と直貿の双方を展開している。23年の日本向け取扱高は約500万ドル。

 今回展では、織物製と編み物製の子供服を出展し、価格優位性やQRを訴求する。

〈湖北隆正紡織品/リネン使いホームテキスタイル〉

 2004年設立のホームテキスタイルメーカー。貿易部門、織布部門、縫製部門から成る。リネン生地の織布工場は河北省、縫製工場は浙江省杭州と湖北省宜昌にある。主な生産アイテムは寝装寝具とカーテンで、月産能力は計7万セット。

 中国内販向けと輸出の双方を手掛けている。輸出は欧州、北米、南米向けが中心で、ロシア、韓国、日本向けも一部手掛けている。今後、日本向けの直貿を増やしていく方針で、そのために日本で開かれる展示会に積極的に出展していく。

 その一環で、今回初出展する。コスパの高いリネン使いの商品を紹介し、吸水性と通気性の良さを訴求する。

〈広東兆レン紡織/インナー・スポーツ用編み地〉

 2003年設立の合繊編み物メーカー。広東省清遠で染色・プリント一貫の編み立て工場を運営し、スイムウエア、インナー、スポーツウエア用途のトリコットと横編み地を生産している。工場の従業員数は約700人。

 欧米、豪州、香港、マカオ、台湾などの国と地域に輸出している。最終顧客は、欧米の大手SPAとインナーブランドが多い。欧米向けが全体の9割を占めている。

 ベトナム・タインホア省に来年、生産拠点を設ける予定。

 初出展の今回は、リサイクルナイロンとスパンデックスを使った編み地を訴求する。インナーやナイトウエア向けとして提案する。

〈嘉興幟尚服装貿易/帽子などファッション小物〉

 2017年設立のファッション小物・雑貨の貿易会社。帽子、マフラー、手袋、化粧品バッグなどを取り扱っている。自社でサンプル生産に対応できることと、高い開発力が強み。

 仕向け地別売上比率は日本20%、中国国内70%、その他10%。日本向けは日系商社を通じて手掛けている。新型コロナウイルス禍が始まって以降、受注が減っているため、直貿の開拓に乗り出す。自社ブランドの日本市場への投入にも挑戦している。

 2回目の出展となる今回は、防水、防汚、UVカットの機能を持つ生地を使った帽子や、シームレステープを使ったアウトドア向け帽子を訴求する。

〈蘇州木川田紡織品/「サイトス」使いの合繊織物〉

 2010年設立の機能性合繊織物メーカー。自社工場(江蘇省呉江)の月産能力は約200万㍍。ウインドブレーカーやジャケット、ダウンウエア、ユニフォーム向けの織物を中心に生産している。工場管理者は元日系企業の技術者で、開発スピードの速さと、品質管理意識の高さを追求している。

 日本と欧州向けがメインで、売り上げは近年、増加傾向にある。日本の展示会への出展を増やし、顧客開拓を加速していく。

 初出展の今回は、欧州向けに開発した特殊なジャカード織物や、抗菌、保温などの機能性生地、小松マテーレの透湿防水素材「サイトス」と自社の生地をボンディングした織物を打ち出す。

〈汕頭旭栄針織/ファッション性高いセーター〉

 1988年創業の編み物製シャツとセーターのメーカー。日本向けに特化している。広東省汕頭にある自社工場の月産能力は約20万着。

 親会社が台湾・台北にあり、台湾メーカーの素材を活用することができるのが強みだ。台湾素材と、自社工場の編み立て技術や刺しゅう・プリント・起毛などの加工技術を組み合わせ、ファッション性の高いアイテムを生産している。

 量販店向けが強かったが、近年は中高級ゾーンの開拓に力を入れている。

 初出展の今回は、台湾のカキの貝殻を利用した吸湿速乾性を持つ繊維「シーウール」使いや、さまざまな加工を施したセーターを出展する。

〈南通永遠貿易/編み物製ゴルフウエア〉

 2002年設立のアパレル貿易会社。江蘇省を中心に中国国内の協力工場で生産している。編み物製と織物製の双方に対応し、特に編み物製のスポーツウエアを得意としている。品質の高さと短納期対応などのサービス力が強み。

 日本向けに特化している。年間生産数量は60万~80万着。1アイテムの最小ロットは、400着程度。

 3回目の出展となる今回は、ゴルフウエアなどの編み物製スポーツウエアを前面に打ち出す。UVカット、接触冷感、吸水速乾、遮熱などの機能性素材や、リサイクルなどのサステイナブルな素材使いを打ち出す。ミドル・ハイエンドのブランドの開拓を目指す。

〈上海星雅服飾/日本品質のカジュアルウエア〉

 2004年設立の日本向けアパレル貿易会社。編み物と織物製のカジュアルウエアとスポーツウエアを取り扱っている。協力工場は浙江紹興、江蘇省塩城、江西省南昌、バングラデシュなどにある。

 東京拠点があり、顧客との商談などがスムーズにできることや、デジタルを駆使した生産管理の体制を敷いていることが強み。日本の顧客が求める品質管理と納期厳守の姿勢も顧客から評価されている。

 5回目の今回は、カジュアル、スポーツウエア、レディースのファッション衣類を訴求する。吸水速乾や接触冷感などの機能性生地使いを訴求し、新規顧客の開拓を図る。