ごえんぼう
2024年11月20日 (水曜日)
ある繊維業界組合の全国大会に出席した。若手から高齢者まで多数が集い、活発な意見交換が行われた▼ある高齢の組合員は、2003年に始まった「中小繊維製造事業者自立化事業」の成果を強調した。同補助事業は、国に採択された零細規模の繊維事業者が補助金を得てBtoC事業や小売り事業にチャレンジするというものだ▼その結果は芳しいものではなかったと記憶している。製品在庫を抱えて倒産や廃業に追い込まれた事例が多かった。同補助事業の成功を口にする人におそらく初めて出会えた▼別のある高齢の参加者は、綿工連やタオル工連が00年代初頭に行った、輸入秩序化対策を求める「業界安定化要請」を再び行うべきだと主張した▼「お上頼みでは発展などない」との指摘もあるが、イタリアなど繊維製造業を手厚く支援する国もある。“またトラ”も絡んで関税に関心が集まる中で、黙ったままは得策ではない。