繊維ニュース

緑十字展 高まる安心、安全性

2024年11月19日 (火曜日)

 中央労働災害防止協会(東京都港区)主催の安全衛生保護具・機器の総合展示会「緑十字展2024~働く人の安心づくりフェア~in広島」が13~15日、広島県立広島産業会館(広島市)で開かれた。約180の企業・団体が出展し、3日間で約1万5千人が来場した。

 今回展では、AR(拡張現実)を用いた災害シミュレーションや、装着型体調管理システムなど、課題解決にデジタル技術を活用する機器が幅広く展示された。安全器具を実際に体験できる「安全衛生保護具体験道場」も開かれた。

 暑熱対策商品を披露するブースは、気候変動の影響から特に活気にあふれた。電動ファン(EF)付きウエア開発製造の空調服(東京都板橋区)は、来夏の発売に向けて開発中の、爆発の危険性が生じる特定の区域で使えるEFウエアをお披露目。安全衛生具製造販売のミドリ安全(同渋谷区)も今年発売した防爆エリア対応の「クールファンEP」を展示した。ワークウエア製造卸のシンメン(広島県府中市)は、独自のファンキャップを100セットから別注できる点をアピール。ワークウエア製造卸のバートル(同)も初出展し「エアークラフト」を訴求した。

 ペルチェ素子式ウエアにも注目が集まった。作業用手袋製造卸のおたふく手袋(大阪府箕面市)は、来夏投入する冷暖兼用のペルチェ式ウエアを披露した。安全保護具製造卸の昭和商会(名古屋市昭和区)は、今年売れ筋となったフルハーネス安全帯対応で6個の素子を搭載するタスキ型を展示した。

 手袋では、手袋製造卸の福徳産業(広島県福山市)が、編み機を設置して、実演するなど各社の特徴を分かりやすくアピールした。作業用手袋製造卸のアトム(同竹原市)は、耐切創レベル最上位の「ハイパーグリップス」を新発売。クラボウインターナショナルは、防炎・耐熱手袋、腕カバー「スーパーアツボウグ」の利点を伝えた。東洋紡エムシーは、耐切創性と接触冷感性を持つ繊維「ツヌーガ」の認知向上を狙った。