岡山繊維産地協議会/産地活性化へ意見交換/全体会議に51人参加

2024年11月18日 (月曜日)

 岡山県倉敷市内で14日、「岡山繊維産地協議会」の全体会議が開かれた。協議会内に設けられた各検討会議から今後の実施計画が発表されたほか、「わたしたちの産地の明日を共に考える」をテーマにした産地の若手経営者による公開ディスカッションが行われた。県内から51人が参加した。

 冒頭のディスカッションには、カジュアル衣料向け生地製造のショーワ(倉敷市)の片山倖恵子取締役、明石スクールユニフォームカンパニーの河合一樹取締役経営企画室長、畳縁製造の髙田織物(同)の髙田尚志社長、学生服、ジーンズ加工の晃立(同)の藤川泰志社長、ワークウエア製造卸の寅壱(同)の村上貴章専務、学生服製造卸の児島(同)の山本真大社長が登壇した。

 ファシリテーターがテーマに沿いながら各登壇者と協議会参加者に質問を投げ掛けながらディスカッション。繊維産業の現状などについて意見を交わした。

 児島という地域の魅力は?という質問に対し、「若者に楽しさを提供する場所などが整っていない」「閉鎖的」といった意見があった一方、「児島のロケーションは他県にはなく、すごいことをやっている企業が結構いる」「今は人手不足で協力しないとモノ作りができなくなっており、児島の閉鎖性を打ち破っている。児島にはこれから人を引き付ける要素が出てくるのでは」との声も出た。

 同協議会内に設けられた三つの検討会議による今後の計画も発表された。金融検討会議では、中国銀行と広島銀行の児島支店担当者が、これまでの討議活動について話した。地域の金融機関として何ができるかという視点から、若手交流会などを開き、児島にあったらいいと思うモノやコトについて意見出しを行ってきた事例を紹介した。

 特定技能による外国人採用検討委員会では晃立の藤川社長が、特定技能制度へ円滑に移行するためのノウハウや情報の共有、岡山で繊維産業に従事したいと思ってもらえる情報発信という二つの案から今後行う具体的な実施事項について述べた。

 人材確保のための産地PR検討委員会の実施内容は髙田織物の髙田社長が説明。賃上げの実施、アパレル廃棄0(ゼロ)、クリーン産地宣言という三つの視点で、産地の持続性を高めていくために行っていくことを発表した。

 同協議会は、繊維産業を取り巻く環境が変化する中、県内の同産業関連企業や関係者が集まり、産地の現状や課題、解決策の方向性などを議論する場として、倉敷ファッションセンターが岡山県からの委託を受けて昨年設置。検討会を立ち上げて協議を行ってきた。14日時点で、岡山県、倉敷市、井原市、玉野市、岡山県工業技術センターの行政に加え、77事業者、9団体、2校が会員となっている。