繊維ニュース

タキヒヨー 肌を保護する機能素材拡充

2024年11月14日 (木曜日)

 タキヒヨーは肌を守る・ケアするという機能を持つ素材を拡充し、生地や製品として販売に生かす。ファッション向け以外にコスメティックやスポーツ、ユニフォーム向けにも使用が可能な素材の特性を生かし、新たな販路の構築を目指す。

 素材に付与した機能は保湿や紫外線・赤外線防止、消臭、接触冷感や遮蔽(しゃへい)など多岐にわたる。主に肌を保護する目的としての機能付与で、アパレルや肌着向けを中心にした使用を想定している。一部の素材には自然由来や再生原料を使用。サステイナブルな側面もアピールする。

 美容関連用途に向く「モイスフィット」は、セルロース繊維にナノ化された自然由来のビタミンE配合カプセルを練り込みバリアを形成。肌の摩擦や体温に反応してビタミンEを放つ仕組みを持つ。ビタミンEは保湿性を持ち、その成分が肌に移行して肌からの水分蒸発を防ぐ。肌着やパジャマ向け、コスメ用品として販売も可能だとしている。

 シールドライトUVは通常のフルダル糸使用素材に比べて、高度な遮熱性と紫外線遮蔽性を持つと言う。高温が続く気候での使用に向いており、衣服内の温度上昇や紫外線カットの機能を持つ。ポリエステルポリマーと酸化チタンを高濃度で含有したポリマーを合わせて紡糸する。透け防止機能も備える。

 東洋紡せんいと共同開発した素材もそろえる。汗臭(アンモニア・酢酸・イソ吉草酸)を軽減する改質レーヨン繊維と、GRS認証を取得した再生綿の混紡糸「エコテック デオ―R」はソフトな風合いと消臭機能を両立する。ほかにも、異形断面を持つレーヨン糸「アイスクリーン」は接触冷感機能を持ち、スポーツ衣料向けにも適する。

 これらの素材は原料に加工を施すため、耐洗濯性を含めた機能の持続性を持ち合わせる。素材を組み合わせて複合した機能の訴求も可能だ。糸や生地だけでなく、製品での供給が可能な側面も強くアピールしていく。