「中国国際輸入博」/サステや先進性アピール/日欧米素材メーカー出展

2024年11月13日 (水曜日)

 【上海支局】5~10日に中国・上海の国家会展中心〈上海〉で開かれた輸入品・サービスの展示会「第7回中国国際輸入博覧会」で、日本と欧米の素材メーカー出展者は、サステイナビリティーや先進性をアピールした。

 東レは、ポリエステル超極細微細捲縮(けんしゅく)生地「uts―FIT」(ユーティーエス フィット)など、独自の複合紡糸技術「ナノデザイン」を駆使した素材と、東レ本社の原糸・原綿を使用し、中国とベトナムの外注工場で生産する服地「EVOTRUTH」(エボトゥルース)、使用済みペットボトルを原料としたリサイクル繊維「&+」(アンドプラス)を訴求した。自動車内の快適性とサステを両立するスエード調人工皮革「ウルトラスエード」使いの多機能コンソールボックスなどが注目を集めた。

 帝人は、汚水処理用繊維や耐熱性、耐炎性、耐薬品性に優れたメタ系アラミド繊維、ポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」などを紹介した。アラミド繊維のリサイクルの仕組みを説明した模型などに関心が集まった。

 旭化成は、「モビリティイノベーション」「デジタルインテリジェンス」「グリーン・低炭素」「生物医薬」の四つをテーマに出展。自動車の内装材として、スエード調人工皮革「ディナミカ」を提案した。

 撚糸・タオル製造の浅野撚糸は、特殊撚糸加工「スーパーゼロ」で吸水力と速乾性、ふんわり感を高めたタオル「エアーかおる」を訴求した。同展には第1回から出展、2022年を除き6回目の出展となった。知名度を徐々に高め、代理商経由で中国内販を拡大している。

 米デュポンは「グローバル・イノベーションで地場深耕」をテーマに出展した。耐水・耐塵性と通気性を持ち、強じんかつ軽量な不織布「タイベック」などを紹介した。

 米インビスタは、ナイロン66の生産体制や関連製品をアピールした。同社のナイロン66は、軽量で耐久・耐熱性が高い特徴が評価され、電気自動車(EV)に金属部品の代替として採用が進んでいる。

 輸入博は、2017年5月の「一帯一路」国際協力サミットフォーラムで習近平国家主席が開催を発表し、18年11月に初開催された。中国の市場開放の姿勢を海外にアピールする場となっている。今年の出展面積は約36万平方㍍で前年並み、出展者数は129カ国・地域の3496社で前年(約3400社)から、やや増えた。