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帝人/成形材料の減損で赤字に/繊維・製品は拡大順調

2024年11月12日 (火曜日)

 帝人の4~9月連結決算(IFRS)は、売上収益5075億円で前年比7・5%増、営業損失476億円(前年は18億円の利益)で増収ながらも赤字となった(短信既報)。マテリアルや繊維・製品がけん引して売り上げを伸ばし、事業利益も増益となったが、複合成形材料の北米事業での574億円の減損損失計上などが影響した。

 繊維・製品は、衣料分野、産業資材分野とも好調で、売り上げ収益1739億円で前年比9・5%増、事業利益101億円で同34・3%増となった。衣料繊維は、北米や中国向けのテキスタイル・衣料品、国内向けの夏物衣料品が伸び、産業資材は水処理フィルター向けのポリエステル短繊維や人工皮革、生活雑貨などが拡大した。

 複合成形材料の北米事業は売却の方向で動き、今期内のクロージングを目指す。複合成形材料事業のうち北米が占める比率は80~85%。通期では、売り上げ収益1兆100億円(5・2%増)、事業利益280億円(27・5%増)、営業損失800億円(前年は49億円の損失)、純利益250億円(117億円の損失)を見込む。インフォコム株式の売却もあり、純損益は黒字化する見通し。

 繊維・製品は通期で、売り上げ収益3450億円(前年比7・2%増)、事業利益165億円(26・9%増)を見込む。下半期も衣料繊維分野、産業資材分野とも拡大を見込み、当初予想から売り上げ収益で100億円、事業利益で20億円を上方修正した。