特集 北陸ヤーンフェア2024(2)/展示内容をさらに充実

2024年11月07日 (木曜日)

 今回の北陸ヤーンフェアは過去最大の規模での開催となる。展示内容も充実し、幅広い業種から出展社がそろうとともに、海外企業も初めて参加する。主催者である石川県繊維協会の遠藤幸四郎会長、福井県繊維協会の藤原宏一会長に抱負を聞いた。

〈石川県繊維協会会長 遠藤 幸四郎 氏/産地の価値創造を後押し〉

 今回の北陸ヤーンフェアは出展企業数が78社と過去最多で、展示面積も111小間と過去最大規模となります。福井県繊維協会との共催になって7回目ですが、その前の蝶理が開催していた時を含めて継続してきたことをうれしく思うとともに、関係する方々に感謝を申し上げます。

 出展の幅はさらに広がり、合繊メーカーや紡績、糸メーカー、テキスタイル、染工場や繊維加工剤、繊維機械やシステム関連などがブースを構えます。石川と福井は糸の大きな消費地で、北陸ヤーンフェアは出展社と需要家が一堂に集まって話ができる貴重な場になっています。ここから商品開発や新しい取り組みに結び付いていることが、展示会規模の拡大につながっています。近年は繊維機械からの出展も増えていますが、生産性の向上や人手不足対応などの面からもいろいろなヒントを得ることができる場です。

 今回は初めて海外からも出展を受け入れ、台湾の3社が参加します。石川県繊維協会と福井県繊維協会、台湾の中華民国紡織業拓展会(紡拓会)が進めている交流の一つとして実現したもので、日本側からも台湾で10月に開かれた「第28回台北紡織展」(TITAS)に3社が出展しました。

 産地を取り巻く事業環境は昨年に比べると若干弱含んでいる面がありますが、輸出を含めて明るい兆しも出てきています。繊維リソースいしかわとして出展したミラノウニカでも化合繊への注目が高まっており、産地の高品位、高感度、高品質な商品への需要は増えていくと期待しています。ファッションやスポーツ・アウトドアだけでなく、産業資材用途も北陸ならでは、石川ならではの商品への注目が高まるとみています。台湾も内需だけでなく欧米への輸出もありますので、今回の交流が一助になればと思います。

 今回の展示会テーマは「サステナブルな繊維の未来~新たな絆へ~」です。北陸ヤーンフェアは産地で繊維に携わる人たちにとって便利な場で、商談だけでなく出展社と来場者がコミュニケーションを図る場としても定着しています。産地の各企業は新しい価値の創造に注力していますが、北陸ヤーンフェアがその動きを進めるきっかけになればと思います。

〈福井県繊維協会会長 藤原 宏一 氏/ヤーンフェアの国際化へ〉

 北陸ヤーンフェアは7回目を迎え、今回は金沢での開催になります。展示会の規模はさらに拡大し、出展社数は78社・団体で、展示面積は111小間とともに過去最高となりました。

 今回展のテーマは、「サステナブルな繊維の未来~新たな絆へ~」です。サステは引き続き重要なテーマですが、事業を取り巻く環境は日々変わっています。会場に新しい何かを探しに来ていただければと思います。

 今回は海外からの出展も始まり、台湾の紡拓会との連携で台湾の3社が出展します。加えて10月に台湾で開催された展示会「第28回台北紡織展」(TITAS)への日本からの出展も実現しました。これを北陸ヤーンフェアの国際化の足掛かりとし、将来的には韓国や中国、その他のアジア諸国を含めて出展してもらえればと思います。また、海外からも見に来るような展示会にしていきたい。今回はその第一歩目を踏み出せた形で、今後さらに国際化を進めていきたいと考えています。

 糸に軸足を置き、その周辺を含む糸の総合展として継続していますが、規模は年々拡大しています。現場に携わる人たちが出展者とコミュニケーションを図るとともに、これまで知らなかった新しい商品を見つけることができる場として定着してきました。産地の人たちに向けた展示会として、対象を明確にしていることが良い方向に導いているのではないでしょうか。

 展示内容はさらに広がります。合繊長繊維がメインですが、短繊維も含めてさまざまな糸を見ることができますし、テキスタイルの出展も増えています。繊維機械関連も引き続き増え、ソフトを含めて幅広く出展社がそろいます。ここにくれば何かがあると思えるような展示会になっています。

 今後に向けては、規模を追うというよりも、中身を重視していきたい。主催者としては、出展社や来場者が増えることもそうですが、内容をさらに充実させていくことが重要です。出展していただいた企業に効果を実感してもらい、来場者にも見に来てよかったと感じてもらうようにしていくこと。そうして北陸ヤーンフェアをより良い出会いの場にしていければと考えています。