東レ・機能製品事業部 成長へ下半期巻き返し
2024年11月06日 (水曜日)
東レの機能製品事業部は、販売拡大へ攻勢をかける。2024年度上半期(24年4~9月)は前年同期並みで推移しており、下半期からの巻き返しによって年間で成長を目指す。
分野を問わず、学販を含むユニフォーム全体で伸ばす方針で、高機能・高感性生地を提案して需要を取り込む。
上半期について、同事業部の梅田輝紀部長は「前年同期比ほぼ横ばいで推移している」とした。企業別注や官公需分野は比較的順調だったものの、ワークウエアや学生服分野などで在庫調整の影響を受けた。ただ「在庫調整は終わりつつある。下半期以降は各分野で手応えを感じている」と話した。
機能や感性を付与した生地を打ち出すが、中でもニーズが増えている暑さ対策生地の提案に力を入れる。その一つが「スプリンジー」。異形断面糸と丸断面糸をランダムに配列させた生地で、吸水・拡散性や透け防止、紫外線カット、クーリング効果などの機能を兼ね備える。
セラミック粒子の含有量を可能な限り高め、遮熱性・紫外線遮蔽(しゃへい)、防透け性を実現した「ボディシェルEX」も展開。麻調タイプも投入する。原糸や加工技術を駆使して生地に通気孔を発現した「ドットエア」、特品原糸と特殊構造の組み合わせで通気性を高めた「ブリーズクール」も暑さ対策生地だ。
ユニフォームとスポーツウエア、ファッション衣料との垣根がなくなりつつある中、革新複合紡糸技術「ナノデザイン」を駆使した生地の提案も行う。「価格面での壁はある」(梅田部長)とするが、和紙のような風合いを持つ「カミフ」、光沢感や膨らみ感を持つ「キナリ」などを訴求する。
そのほか、ストレッチの「プライムフレックス」、ストレッチ生地「ライトフィックス」を高度化した「ライトフィックスD」なども展開。学生服分野では、インクジェットプリントを提案する。ボトムやスカートは先染めが主力だが、小ロット対応をはじめとするインクジェットの利点を顧客に伝える。