明石スクールユニフォームカンパニー/学生服のサステ領域強化/ケミカル再生、リユースなど
2024年11月05日 (火曜日)
明石スクールユニフォームカンパニーは、学生服のサステイナビリティープロジェクト「リリングスクール」において、新たにケミカルリサイクルとリユース事業に乗りだす。このほど都内で開催した学校制服・体操服総合展示会で、学生服の紹介と併せて学校関係者らに訴求した。
ケミカルリサイクルは日本製鉄と協業する。分別回収した使用済み制服をコークス炉でコークス炉ガス、コークス、炭化水素油に熱分解し資源の有効活用を図る。既にセメント製造燃料へのサーマルリサイクル、自動車内装材へのマテリアルリサイクルに対応できる体制は協力企業と築いており、再資源化への要望に選択肢をそろえ応える。
リユース制服は、メーカー認定製品として学生服を直販している学校を対象に提案していく。制服の購入価格を抑えたいという新入生や買い替え希望の在校生需要を捉えていく方針。学校ごとの服装規定を把握していることや、オリジナルエンブレムやボタンへの対応、学外への転売防止などが強みになるとしている。
リユースは、着用できる状態の制服を回収後、素材に合わせて専門工場でクリーニングまたは水洗いし、外観検査で修繕カルテを作成。ジャケットの氏名片布、ボタン替え、スカートのベルト替えなどカルテに沿って修繕し、検品後、仕上げ直しまで行う。
この他のサステの取り組みとして、制服の廃棄布を再活用するサービス「ニューノス」を立ち上げた。制服の廃棄布と植物性の接着フィルムを交互に重ね、熱と圧力で固めてブロック状にし、それを水平にカットすることで、布同士のたわみにより独特の模様が現れる再生素材となり、ノベルティーグッズや什器(じゅうき)、卒業記念品などに活用できる。
学生服でも環境配慮素材の提案を強化。独自生地「エコロジーズ」は、糸構造のフィラメントをポリエステルのダブル使いとし、スパンをウールだけにすることで、マイクロプラスチック発生を抑制する。撥水(はっすい)性を強化した独自生地「+リープ100」は再生ペットボトル由来原料100%で作り上げ、ストレッチ、軽量、速乾、ウオッシャブルといった制服に求められるさまざまな機能も備える。
機能性を高めた新たな独自生地「ソフティエール」はウール35%、ポリエステル65%で柔らかく自然な風合いを実現。昨年発売した独自生地「ハイブリッドサージ」は、経編を採用することで高耐久性と横伸長率46%に達する特性を前面に打ち出している。
体操服では、一般的な体操服の倍以上のパーツを使い立体裁断で仕上げた独自ブランド「フィール/ディー」を訴求。動きやすさに加え、プライベートや卒業後にも着用できるシンプルでおしゃれなデザインを取り入れている。