小松マテーレ 海外販売拡大を加速
2024年11月05日 (火曜日)
小松マテーレは、海外市場での拡販を加速する。欧州向けのファッション素材や中東向け民族衣装が堅調に推移し、売上高に占める海外比率は過去最高に達している。今後は衣料分野に加え、資材分野の開拓にも注力し、現中期経営計画で掲げている海外販売目標の前倒しでの達成を視野に入れる。
同社の2024年4~9月期の連結売上高は191億円で前年同期比8・1%の増収だった(短信既報)。このうち海外売上高は82億1400万円で19・9%増。海外比率は42・9%で過去最高を記録し、中計最終の27年3月期の目標値である43%にほぼ到達。年間の海外売上高は前年の145億円に対し、160億円前後に達すると予想する。
欧州市場向けは、スポーツが減少したものの、ラグジュアリーブランドを含むファッションは堅調な動きを見せる。北米はカナダ向けのファッション用途が大幅に増加し、アジア他もファッションが増えた。中東は「KOMATSU」ブランドの浸透や高付加価値品の継続導入で民族衣装が拡大した。
海外事業の拡大は中計の重点施策の一つであり、今後も欧州、北米、アジア他、中東の各地域で積極的に仕掛ける。その一つが展示会などでの訴求強化で、イタリア・ミラノで開催される国際的服地見本市「ミラノ・ウニカ」(MU)の来年2月展では、日本企業として初めて単独でブースを構える。
中山大輔社長は「単独出展にふさわしい企業として認められた。イタリア企業に遜色がないような商品、レイアウトを考えたい」とし、まだ決定したわけではないとした上で「現場の声を聞くとブース面積は100平方㍍弱ぐらいなる」とした。「2月展を一つのステップと考え、しっかりと提案したい」と強調した。
海外販売は資材分野でも拡大を図るが、汚泥減容化バイオ製剤「ベリフォーマー」をはじめ、さまざまな製品を保有する強みを生かす。「ニーズを探索して製品を開発していたのでは時間がかかる。持っている技術や製品を生かせる市場を探索し、提案する」(中山社長)とした。
サステイナビリティーへの要求が強まる中、品質保証や環境、安全に対応する専門部署を発足する。クオリティー(品質)、エンバイロメント(環境)、セーフティー(安全)の頭文字から「QES」(クエス)と名付け、今期中に7、8人の規模での始動を目指す。また、「GRS」(グローバル・リサイクルド・スタンダード)認証取得の準備も進めている。