ピカノール マーケティング&プロダクトマネージャーのリーヴェン・ベケ氏に聞く/デニム用レピア織機など訴求/中国内販は横ばい維持
2024年10月25日 (金曜日)
14~18日の5日間、中国・上海で開かれた繊維機械の国際見本市「ITMAアジア+CITME2024」で、ベルギーのピカノールはレピア織機の新機種「ウルティマックス」と、新型エアジェット織機「オプティマックスiコネクト」を出展した。デニムやトラックシートなどアイテム別に特化したデモ機を並べ、その優位性をアピールした。同社の今年の中国内販は、前年同期に比べ横ばいを維持する。マーケティング&プロダクトマネージャーのリーヴェン・ベケ氏に、今回展の出展内容と内販の現状を聞いた。(上海支局)
◇
――今回展で中国市場向けの「ウルティマックス」と「オプティマックスiコネクト」を訴求しました。
いずれもベルギー製の基幹部品と、コストパフォーマンスに優れた中国製部品を組み合わせた新機種です。デニムやトラックシートなどの生産アイテムや、求められる生地幅にそれぞれ特化した仕様にすることで余計な機能をなくし、価格を抑えています。
――中国では導入される機械のアップグレードが進んでいます。どう対応していますか。
当社のベルギー製の機械は、トップグレードです。その品質を落とさず、いかに生産コストを抑えるかに注力することで、中国のニーズに応えています。
――世界的な繊維不況で、中国の機械市場も優れません。
確かに困難な時期を迎えていますが、魅力的な巨大市場であることに変わりはありません。当社の内販は、厳しい環境の中でも前年同期から横ばいを維持しています。顧客に寄り添い、ニーズに応えることができていることが、内販が健闘している理由だと思います。
――中国で特に力を入れる市場は。
デニムとトラックシートなどのコーティングファブリック、それからタイヤコードの三つの用途です。中でもデニムは、世界的にシェアが高いですが、中国でも独占的な地位を築けています。
――中国の織機メーカーが品質を高め、販売を拡大しています。
シェアを伸ばしているのは間違いありません。ただし、今回展を見てもお分かりのように、中国メーカーの製品は当社のコピーです。彼らがオリジナル製品を出してくるまでは、本当の意味での脅威にはならないでしょう。当社はオリジナルとコピーの差を常に維持できるように、開発にまい進していきます。
――とは言うものの、市況低迷を背景に中国顧客の価格志向が高まっています。
ボリュームゾーンを手掛ける顧客は、価格志向が強いです。ですので、ボリュームゾーンの顧客も大事にしつつ、品質にこだわりを持ち、価格志向ではない中高級ゾーンの顧客の開拓に注力していきます。