LIVING-BIZ vol.111(8)
2024年10月16日 (水曜日)
〈ザコネ/美と健康展で好評/新規販路開拓に手応え〉
NTT東日本グループが中心となって活動する睡眠事業コミュニティー「ZAKONE」(ザコネ)が、9月30日から10月2日に開かれた「第23回ダイエット&ビューティーフェア2024」に初出展した。美と健康という面で睡眠の重要性を訴求。多くの来場者が訪れにぎわった。
出展したのはザコネ参画企業164社中13社。寝具関連、仮眠用ブース、照明、ウエアなど、質のよい眠りにつながる製品を発信した。
ふとん地製造卸の蔭山(大阪市中央区)は、北欧デザインの「ガーブカーサ」から、ハーブ・アロマテラピー製造販売の生活の木(東京都渋谷区)とコラボレーションした、眠りの質を上げる香りの生地を提案した。「他のアロマオイルの会社や『オリジナルの香りで生地ができないか』といった問い合わせがあり、出展してよかった」と言う。
寝具などを企画・販売するディーブレス(東京都中央区)は、人工羽毛の「プリマロフト」、ジェルピロー「テクノジェル」を主体に打ち出したが、来場者の反応から急きょ、ふんわり軽く柔らかい「とろけるふとん」も提案した。発売から20年ほど経つロングセラー商品だが、エステサロンなど新たな販路開拓に手応えをつかむ。
エンブリー(同千代田区)は、リラックスケアブランド「エンブリー」初の商品である加重ブランケットを訴求した。適度な重みによりハグされるような安心感を提供する。加重ブランケットは一般的にガラスビーズで重みを出すが、国際的なリサイクル規格にのっとった再生ポリエステルを、国際的な繊維製品の安全認証「エコテックススタンダード100」を取得した綿でくるんだコットンチューブで編み上げており、環境にも人体にも優しい。
ベッド・マットレス製造販売のアンネルベッド(広島市)は、ウェルビーイングにこだわった「フィーカ」を紹介した。100センチのワイド幅で、ゆったり寝返りが打てる。約23年分の寝返り耐久性能を誇る独自のスプリングマットレス、無垢・突板素材のベッドフレームも特徴。寝室の内装や家具など45%が木材だと睡眠に最適との研究もあり、天然樹木を加工した無垢材にこだわった。
「ハイエンドな美容室やエステサロンの待合スペース用に関心が持たれ、『そこで試して(フィーカの)販売も』という声もあった」と言う。
〈「HCR2024」レビュー/進化する介護用ベッド/負担軽減、省人化も〉
2~4日に東京ビッグサイトで開かれた「HCR2024第51回国際福祉機器展&フォーラム」では、医療・介護用ベッド、マットレスの進化がうかがえた。利用者の使用感向上だけでなく、施設や在宅で介護する人、介護用品レンタル事業者の負担軽減、省人化に寄与するものが目立った。
フランスベッドは東洋紡エムシーと共同開発した高通気性マットレス「ツインウェーブ」、あえて必要十分な性能に絞った電動ベッド「ラクダ」などを披露した。
ツインウェーブは3次元網状繊維構造体「ブレスエアー」の2層構造でハード/ソフトのリバーシブル仕様。好みの硬さが選べる。端を硬めにすることで端座位の安定性を確保。色やデザインで仕様の違いを分かりやすくし、問い合わせに対して事業者が再訪することなく電話応対で済む利点も訴求する。
ラクダは、利用者にとっては寝心地・操作・手入れが楽、レンタル事業者にとっては運搬・組み立て・仕様の切り替えが楽なもの。作業員一人でも短時間で設置できる。
パラマウントベッドは、デジタル技術で社会・企業を変革するDXにより、施設の人手不足対策も推進している。体重測定機能付き介護ベッドなどに加え、このほどNECの子会社から譲受した介護施設向け排せつ自動記録システムの事業を、見守りシステム「眠りコネクト」と連動させる。DX化によって、少ない人手でも入所者の健康状態を高精度で把握・対応可能にする。
在宅介護向け電動ベッドでは、新商品「楽匠ウイング」シリーズを訴求した。100センチ幅で大きく寝返りがうてる上、長さが191センチから205センチに延長可能。延長部専用マットレスがあれば、レンタル事業者は同ベッド1台でロングサイズまで対応できる。
イノアックリビングは、一般用で好評の「ファセットマットレス」を応用した「ファセットケアマットレス」の利用拡大に手応えを得た。表面全体に入れた六角形スリットによる体圧分散性と寝返りのしやすさはそのままに、床ずれ防止や介護者・レンタル事業者の簡易メンテナンス性のため、高通気のウレタンフォームにこだわった。
タイカは、ウレタンフォーム下に配した六つのエアセルによる自動体位変換機能マットレス「αプラ ネオート」を年内に発売する予定。在宅介護向けベッド「エミ」シリーズを手掛けるシーホネンスでは、代理店契約で取り扱う「エアィーヴ ウエルネスモデル」マットレスも好評だ。
〈昭和西川「タンブドライ」/シワになりにくく縮みにくい綿カバー〉
昭和西川は、100回洗濯・乾燥後もシワになりにくく・縮みにくい綿100%の寝装カバー「タンブドライ」を開発した。タンブル乾燥しても縮みにくい綿カバーの進化版。形態安定性も持たせた。
8月から沖縄県の宿泊施設へ提供開始、10月には軽井沢の宿泊施設でも導入され、今後も全国各地の宿泊施設へ提供を予定している。来シーズンには一般販売も始める。
アパレル業界では、ウオッシュ&ウエア性の数値に基づき、“シワになりにくいシャツ”の性能を評価。ノーアイロンシャツが広がるが、寝装業界では生地幅の制約などがあり、綿100%で洗ってもシワになりにくいカバーリングは実現が困難だった。
だが同社は、ポリエステルにはない綿100%の優しい肌触りにこだわり、1年半以上かけてタンブドライを開発した。綿繊維を超低温の液体アンモニア中で処理することで、綿繊維が均一に膨潤し円形に近づく特殊加工を施した。これにより、シワになりにくいのに、綿の風合いが損なわれない。
一般的な寝装カバー生地より約20%の軽量化も実現し、大量のカバー類を取り扱う宿泊施設の清掃スタッフの負担も軽減。軽量化によって速乾性も高まり、作業時間の短縮にもなる。タンブドライを既に利用している宿泊施設からは、「綿100%のソフトな心地よさで顧客満足度向上が期待できる上、清掃業務の効率化とコスト削減につながる」と高い評価を得ている。
〈ビジネスガイド社/クリエーター企画新設/来年2月の「L×D」で〉
ビジネスガイド社主催のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市「第99回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2025」は、来年2月12~14日に東京ビッグサイトの東・南展示棟で開かれる。「第17回ライフ×デザイン」(L×D)など三つの同時開催展と合わせ、総出展者数3千社・団体、総来場者数23万人を見込む。
暮らし方から住まいをデザインするL×Dでは700社、トータルインテリアの国際見本市「リビング&デザイン」(L&D)では100社の出展を予定。前回、L×Dでは地方の雑貨・インテリアショップやミュージアムショップのバイヤー、L&Dでは建築・設計者やホテル関係者が多数訪れ、今回もより多くの来場が期待される。
L×Dは「革新の時代に求められる、新しい暮らし方のデザイン」をテーマに開催。新たな目玉企画として、次世代クリエーターによる特別企画「フォーカルポイント(焦点)」を打ち出した。
空間設計からプロダクトデザインまで幅広く手掛ける空間デザイナーの西尾健史氏、ファッションや音楽、映像、ウェブなど分野横断的に活躍するアートディレクターの阪本あかり氏が演出。広大な会場をさまよっていた視点が交わる新しい見どころとして、約50小間から成るハイライトゾーンが誕生する。