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「台北紡織展」が開幕/端材や衣類再生の素材提案/国内外385社が出展

2024年10月16日 (水曜日)

 【台北=岩下祐一】素材と機械の見本市「第28回台北紡織展」(TITAS2024)が15日、台湾・台北市の南港展覧館で開幕した。昨年展並みの国内外385社(うち海外企業75社)が出展し、スポーツ・アウトドア向けのサステイナブルな合繊織・編み物を中心にアピールしている。会期は17日まで。

 開幕式で主催者の台湾繊維産業連合会、紡拓会の郭紹儀董事長は、「台湾メーカーは国際ブランドの主要サプライヤーとして、温室効果ガスの削減に積極的に貢献していく」とあいさつした。

 今回展のテーマは、「サステイナブル・機能性応用・スマート製造」。中でも生地などの端材や中古衣類をリサイクルした素材を打ち出すところが目立つ。

 合繊織・編み物を生産する力鵬(リーポン)は、グループ会社の力麗(リリー)が開発した〝廃棄物ゼロリサイクルシステム〟を謳う「CRZ」(クローズド・ループ・リサイクリング・ゼロ・ウェイスト・システム)を通じて生産したリサイクル糸使いを訴求する。CRZは、自社の工場から回収したナイロンとポリエステルの繊維や、使用済み回収ペットボトルなどをチップに戻し、それを使ってリサイクル糸を生産する。

 合繊メーカーの新光合成繊維(シンコウ)は、使用済み衣類や端材から生産される伊藤忠商事のケミカルリサイクルポリエステル「レニュー」使いの糸をアピールする。伊藤忠の中国法人、伊藤忠繊維貿易〈中国〉(ITS)が、チップの形でレニューを中国から台湾に輸入し、シンコウで紡糸している。

 遠東集団(ファーイースタン・グループ)傘下で、織布から染色加工まで一貫展開する宏遠(エベレスト)は、不要になった自社の在庫生地をリサイクルしたポリエステル糸使いのメカニカルストレッチ素材を打ち出す。ファーイースタン・グループのケミカルおよびマテリアルリサイクル技術「TOPGREEN rTEX」(トップグリーン アールテックス)を活用した織物で、スパンデックスを含まない単一素材のため、循環型のリサイクルが可能とアピールする。