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東急/現行制服はアップサイクルへ/16年ぶりに制服更新

2024年10月09日 (水曜日)

 東急は11月1日、鉄道の現業に従事する従業員の制服を16年ぶりにリニューアルする。性別による貸与の差異をなくしたほか、着用する機会が少ない季節限定の制服類を廃止する。

 対象は、運転士、車掌、駅係員などの運輸系の現業と、電気、工務、車両などの技術系現業の従業員。

 運輸系制服のデザインは、紺色を基調とした「モダントラディショナル」スタイルを採用する。スタイリッシュでありながら動きやすさを重視したシルエットを追求した。季節によって変更していたネクタイやジャケットをオールシーズン利用可能とし、ネクタイは紺とストライプの2種類からの選択式とした。女性用のキュロットは安全性の観点から廃止し、制帽は官帽とハイバックの2種類を性別に関係なく選べる。

 技術系の制服は伝統色のオレンジ色を変更せず、デザインや生地の性能により安全性や機能性を向上させた。作業時の不快感軽減のため、夏服の脇と背中部をメッシュ素材にするなどして通気性を高めた。ブルゾン前面には、データ活用・分析、新たな技術活用による技術オペレーションの高度化に対応するため8¥文字(U+3305)のタブレット情報端末が入るサイズのポケットを四つ配備している。

 現行の制服は、環境に配慮し未使用の生地や制服を活用してグッズなどにアップサイクルするほか、鉄道業界初の取り組みとして、伊藤忠商事とレゾナックが共同で行っている繊維リサイクル「アルケミアプロジェクト」でガス化処理し、二酸化炭素をほぼ排出することなく低炭素水素や低炭素アンモニアなどに生まれ変わらせる。