ごえんぼう

2024年10月09日 (水曜日)

 10年以上通う立ち飲み屋は、かっぽう出身の大将が作る料理が絶品。料理の数は一部変動しながら常時80種ほどもあり、どれも本当においしい▼寡黙な大将だが、たまに言葉を交わす間柄。先日、数カ月ぶりに顔を出し、絶品料理に舌鼓を打ちながら大将ともあいさつ。筆者が「刺身と大葉の刻んだやつと冷酒もらえる?」と頼むと、「あれ?日本酒も大葉も苦手やなかったっけ」と大将。嗜好(しこう)を覚えてくれていたことに感動▼人は人に覚えられることを喜ぶ。だから多くの人がなじみの店を作ろうとするのだろう。仕事もおそらく同じか。人の顔や会話内容をよく覚えている人は仕事もよくできるというイメージがあるし、覚えられていると単純にうれしい▼自身の記憶力の低下には加齢だけでなく酒量も関係しているもよう。でも、覚えたばかりの大葉と日本酒の魅力はなかなかにすさまじく、抗うのは困難。しばらくは仕方ない。