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たまゆら/接客力でリピーター増/暑熱対策ウエア販売堅調

2024年10月08日 (火曜日)

 ユニフォーム販売のたまゆら(大阪府枚方市)グループの上半期(4~9月)業績は、暑熱対策ウエアの販売堅調やショップスタッフの接客力向上によるリピーターの増加などによって前年同期比で増収増益だった。9月からワークウエアの新ブランド「Mr.JUNKO WORK WEAR」(MJWW)を発売、通期(25年3月期)でも増収を狙う。

 今夏は全国的に気温が平年より高く、電動ファン(EF)付きウエアやペルチェ素子式ウエアといった暑熱対策ウエアの販売が前年比20%増と堅調で「ほぼ完売した」(神口敬之常務執行役員)。水冷式ウエアは前年より販売量を8割程度に抑えていたが、水だけで動力不要の「アクアウォーターベスト」は企業納入向けに販売を伸ばした。

 ショップは「たまゆらアスレ」「しごとぎやたまゆら」双方とも暑熱対策ウエアの販売拡大に加え、「ニーズを捉えた商品構成」によって増収となった。特に暑熱対策ウエアは「説明ができないと買ってもらえない」商品であり、顧客にサンプルを着用しながら店舗の外に出て炎天下での効果を試してもらうなど、「接客に力を入れてきた」ことがリピーターの増加につながった。

 企業納入も猛暑の影響によって活況だった。

 デザイナーのコシノジュンコ氏と協業し開発したワークウエアブランドMJWWを9月から発売。同社としては初めてのデザイナーズブランドであり、メーカーではなく販売代理店が打ち出すのは珍しい。スタンドジャケットとパンツのセットアップ企画ではデザインだけでなく、素材にクラボウのストレッチ生地「バンジーテック」を採用するなど生地にもこだわった。

 店頭や企業納入で販売。7月から先行販売していたポロシャツなどは既に採用が決まるなど、順調な滑り出しを見せる。

 下半期に向けては最近まで気温が高かったこともあり、防寒など秋冬物の売れ行きを懸念する。ただ、「夏物として見ていたカテゴリーの目線を変える」として、夏向けのコンプレッションやポロシャツなど一部のニット製品を通年で販売。売れ筋を切らさずリピーターをつなぎ止める。上半期までの勢いを落とさず、通期でも増収を確保する。