クラボウ KURABO Uniform Week2024/「温故知新」by Studio KURABO/大阪:10月23~25日/東京:11月20~22日

2024年10月07日 (月曜日)

 クラボウの繊維事業部ユニフォーム部は10月23~25日に同社本社ビル(大阪市中央区)、11月20~22日に東京美術倶楽部ビル(東京都港区)で素材展「KURABO Uniform Week2024『温故知新』by Studio KURABO」を開く。次世代のニーズを捉えグレードアップした新規開発素材をそろえるとともに、シーンに沿った新たな素材の見せ方にも挑む。

〈業種別に最適な素材を〉

 今回のテーマに掲げる“温故知新”とは、クラボウのユニフォーム事業がこれまで歩んできた歴史を年表などで振り返るとともに、従来の加工技術や素材を改めて見直し、次世代のニーズを捉えてグレードアップした素材を打ち出そうという意味を込めた。また“Studio Kurabo”というのは、まるで映画のワンシーンのような形で、業種ごとに素材を使用する各職場をイメージしてもらえるような趣向を凝らした展示によって、来場者にユーザーのニーズにつながる新たな発見をしてもらうのが狙いとなる。

①電力・電機/「ブレバノ」シリーズ

 電力やその他インフラの施設・設備の屋外の作業環境では、気温の高い季節に熱中症が多発しており、従来の防炎性と静電気帯電防止性という安全対策に加え、暑さへの対応が必要となっている。そういった現場に最適となる、モダクリル・綿混を中心とした素材難燃「ブレバノ」シリーズに高通気・高ストレッチ生地「ジェットエアー」の技術を組み合わせた素材を新たに開発し投入する。

②鉄鋼/「プロバン」

 綿100%を中心とした後加工難燃「プロバン」は、昨年から徳島工場(徳島県阿南市)で本格的に加工を開始し、新たな素材開発も進む。火の粉(スパッタ)に優れた防炎性をベースに独自技術を組み合わせ、ウエアの着用寿命の向上に貢献できる高強力加工や、珍しいフッ素フリー撥水(はっすい)など、用途に沿った多機能な難燃素材の開発に取り組む。

③電機・電設/「エレアース」

 「エレアース」は国際規格であるIEC(国際電気標準会議)対応素材で、生地の表裏に高性能な制電糸を格子状に配置し、素早くユニフォームの静電気を緩和させることができる。「ジェットエアー」の技術を組み合わせ通気性やストレッチ性を高めた素材や、ポリエステル100%タイプ、ニット素材などバリエーションを広げ、電機・電設分野の需要を深耕する。

④製造/「ループラス」「タフエース」「レイピマ」

 裁断片などを開繊・反毛技術で再資源化する「ループラス」は、ジーンズやタオルなどで先行してきたが、ユニフォームでも数社と取引が始まっている。

 「タフエース」は原料と紡績技術により従来のポリエステル・綿混素材よりも摩耗に強い素材。長い間着用でき、ワーキングの新たな需要を掘り起こす。

 「レイピマ」はポリエステル高混率でありながら、高級綿原料の上質感をプラスし、軽量で動きやすく、快適な素材に仕上げた。

⑤物流/「テクラボ」

 徳島工場では加工設備を増強し、合繊リッチな加工ができるラインを倍増している。ポリエステル高混率でありながら、独自の加工を施し、コットンライクな風合いを実現したユニフォーム向け素材が「テクラボ」。綿紡績ならではの感性をくすぐる素材感を追求する。

〈繊維事業部 ユニフォーム部長兼東京ユニフォーム部長 絹本 良和 氏/ユーザーのニーズしっかり捉える〉

 今回、テーマを「温故知新」by Studio KURABOとしたのは、当社の持つ従来の技術を見直し、次世代に応える新たな素材を生み出していこうという意気込みとともに、映画のワンシーンで思い浮かぶような素材の見せ方によって、ユニフォームメーカーだけでなく販売代理店の皆さまの感性に訴えたいとの思いがあるためです。これから就労人口が減っていく中で、市場で成長していくために何が必要か。それは働く現場を通じてニーズをしっかり理解し、捉えていくことだと考えています。今回の展示会ではさまざまなビジネスのヒントを拾っていただければ幸いです。ぜひお待ちしております。

(談)

〈新たなアイデア満載に〉

 今回の展示会では「新感覚訴求」として、従来のユニフォームの枠に捉われない、新しい視点での提案にも注力。クラボウの紡織加工で新感覚の独自技術をベースに、来場者へ新しいアイデアやヒントとなる機会を提供する。

 また、トピックスコーナーを設け、既に数社が試験導入し高い評価を得ている色管理技術「EYE―D」を紹介。精度を高めながら最終的には全社への導入を計画している。

 他にもフッ素フリーの防汚加工や、新しいCO2排出量の削減の工程も紹介する。

 東京展では前年に引き続きセミナーを開催。11月20、21日午後4時から、テーマは「サステイナブルファクトリー安城・徳島の紹介(仮題)」と「海外ユニフォーム市場の動向(仮題)」。予約制で定員は各70人まで。セミナー終了後は懇親会も開く。