スタイレム瀧定大阪 商工一体で納期短縮へ

2024年10月07日 (月曜日)

 スタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)は海外市場向け生地販売のさらなる拡大に向け、納期短縮を主目的とした国内サプライチェーンの構築を急ぐ。

 主要販売先が国内市場であることに変化はないが、少子高齢化の中で量的な成長戦略は描けない。生地出荷数量の維持拡大のためには海外市場の開拓、深掘りが必要不可欠になる。

 生地生産については中国や韓国、インドネシア、インド、イタリアなど多様な仕入れソースを持つものの、主軸は国内の各産地であり、染色加工場。ただ、海外ブランドの日本製生地への評価は依然として高いものの、納期が長すぎることを理由に商談が不調に終わるケースが頻発する。この改善を最大のテーマに据える。

 瀧隆太社長は、「商と工が一体になって(納期短縮を)進めていくしかない」と指摘、それが産地企業や染色加工場の生き残りのためにも不可欠であると強調する。

 欧州や米国などの海外ブランドからは納期だけでなく、サステイナビリティーやトレーサビリティーに関連する各種認証の取得要請も急激に増えている。これを受け、産地の織り・編み企業や染色加工場が認証をスムーズに取得できるようサポート体制を作っていく。

海外向けけん引

増収増益で推移

 スタイレム瀧定大阪の今期(2025年1月期)ここまでの業績は、前年同期比増収増益で推移している。国内市場向け生地販売は減収基調だが、海外市場向け生地販売がけん引する。

 国内向け生地販売は、アパレル各社による生産抑制や、生地を縫製地で手当てする傾向が強まっていることなどを背景に、全体として生地発注が減る傾向にある。海外向けでは、中国向けで日本からの輸出は減ったものの中国製生地の中国アパレル向けが拡大。法人を設けた北米も大きく伸び、欧州も堅調な推移だ。

 為替の逆風を受ける製品事業と梳毛糸を中心とした原料販売は苦戦を強いられている。