東洋紡せんい、御幸毛織 引き合い増す環境素材
2024年10月07日 (月曜日)
東洋紡せんいのマテリアル事業部原糸販売グループと、御幸毛織が環境配慮型素材の打ち出しを強めている。東洋紡せんいはリサイクル綿糸「さいくるこっと」、御幸毛織は長短混繊紡績糸「マナード」の環境配慮タイプ「マナードEE」を重点提案し、引き合いが増している。
15~17日に東京ビッグサイトで開催される「サステナブルファッションEXPO秋」に共同出展し、新規用途開拓を進める。
両社が同展に出展するのは4月の春展に続いて2回目。前回展ではさいくるこっと、マナードEEが注目を集めた。これまで接点のなかった業種や企業との商談も実現し、新規用途・新規取引開拓の契機となっている。このため今回の秋展もさいくるこっととマナードEEを前面に打ち出す。
東洋紡せんいのさいくるこっとは、従来の反毛とはまったく異なる開繊方式を採用したことで繊維長が維持でき、高品位なリサイクルコットン100%糸や細番手糸を紡績できる点をアピールする。今回はリサイクル綿100%糸のほか、リサイクル綿20%混のハイクオリティータイプ、ポストコンシューマー型リサイクル綿とプレコンシューマー型リサイクル綿の混綿タイプを用意した。
前回展では、主力用途であるインナー以外のアイテムでも多くの引き合いが寄せられた。このため今回もTシャツや肌着、スエット、カジュアルシャツ、カーゴパンツ、靴下など多彩な製品サンプルを展示する。環境に配慮したオゾン洗い加工とレーザー加工を組み合わせたデニム製品も紹介し、海外市場も視野に入れた提案を行う。
御幸毛織のマナードEEは、ウールとトリアセテート長繊維による混繊複合紡績糸。生分解性のあるウールと長繊維の組み合わせのため洗濯時に発生する繊維くずが少なく、マイクロプラスチックによる海洋汚染のリスクを低減する素材としても打ち出す。長繊維に再生ポリエステルやナイロンを使用したタイプも用意する。
こちらも前回展ではシューアッパーや中東民族衣装など新規用途での引き合いがあった。今回展でもスポーツ・アウトドアなど幅広い用途への提案を進める。