シキボウ・ユニフォーム事業 年間で「アゼック」拡大

2024年10月01日 (火曜日)

 シキボウのユニフォーム事業は、売上高に占める差別化素材を5割強にまで高めている。主力素材である校倉(あぜくら)造り構造織組織の高通気生地「アゼック」が「年間を通じて受注が増えている」状況で、SDGs(持続可能な開発目標)と組み合わせた素材開発も増える傾向にある。

 新型コロナウイルス禍前まで34双ツイルなどの定番商材が6割ほど占めていたが、ここ数年で値上げを機に新素材や差別化素材へと切り替えつつある。中でも1998年発売のアゼックが、記録的な猛暑も追い風となり、「安定的に受注が増えている」。この1、2カ月でも大手企業向けに別注のツナギ服の素材に採用された。顧客の要望に沿って、強撚糸やストレッチなどを組み合わせた生地のバリエーションも広がりつつある。

 トレーサビリティーや環境配慮への関心の高まりを受け、フェアトレード綿糸「コットン∞」(コットンエイト)や生分解性ポリエステル「ビオグランデ」、リサイクルポリエステル、バイオポリエステルといったSDGs関連の素材との組み合わせも増加。ポリウレタンを使わない特殊技術のストレッチ加工生地「パワール」とともに、下半期に向けても販売攻勢をかける。

東西で素材展

 シキボウは大阪、東京で素材展示会「2024シキボウエキシビション」を開く。大阪では大阪市中央区の本社で9~11日、東京ではプラザマーム(東京都中央区)で16~18日に開く。事前アポイント制。

 今回は環境配慮設計に向けた「サステイナブル素材」、糸・編織・加工による新開発の「機能性素材」、こだわりのモノ作りによる「おすすめ素材」、台湾・ベトナム・タイなど海外拠点でのメードインシキボウをそろえる「グローバル素材」を発信する。

 経産省「環境配慮設計ガイドライン」をテーマに19年以来、久しぶりとなるセミナーも開催。同セミナーは、ユニチカトレーディングとの共同企画で、両社のサステ担当者が解説を担当し、質疑応答含め、1回30分程度を予定する。