ごえんぼう

2024年09月26日 (木曜日)

 米国のドナルド・トランプ前大統領の発言を受け、改めてファクトチェック(真意の検証)に注目が集まった。米大統領選に向けたテレビ討論会で、オハイオ州に住む移民へ虚偽の主張があった▼この主張は覆され、司会者から「事実は確認されない」と即座に訂正が入った。ファクトチェックの準備は周到だったのだろう。SNSでの拡散を考慮すると時間をかけることは許されない。連携する報道機関、担当者の気概を感じさせる対応だった▼専門紙の記者に当てはめると、証拠を集める「裏取り」作業と似ている。手間はかかるが絶対に必要なプロセスである。先方が一方的に発表する内容に疑いを持つことも求められる▼その一方、「ニューヨークタイムズ」は世界各国の紙媒体で記者がリストラされ、証拠を集める時間が激減していると指摘する。報道のスピード感も重要だが、本紙は信頼性の高いメディアでありたい。