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トンボ6月期/増収も営業減益/確実な納品に注力

2024年09月25日 (水曜日)

 トンボの2024年6月期連結決算は増収増益となった。売上高は434億円となり、9期連続の増収を達成した。スクール、スポーツ、ヘルスケア各部門で増収を確保した。原材料費の高騰や円安による海外生産のコストアップなどの影響を受け、2期連続の営業減益となったが、経費削減などを進めた結果、経常利益は増益となった。

 売上高434億円(前期比2・6%増)、営業利益13億5900万円(3・7%減)、経常利益16億5800万円(16・5%増)、純利益11億4500万円(21・8%増)だった。

 瀧本を含めたグループのスクール部門売上高は334億円(2・0%増)となった。性的少数者(LGBTQ)へ配慮する流れから、従来の詰め襟服、セーラー服からブレザーへ制服を更新する動きが全国の中学校を中心に広がっている。これを追い風に、同社では250以上のモデルチェンジ(MC)校を獲得した。一方、売上総利益率の高い詰め襟とセーラー服がブレザー制服に置き換わっていることから、利益面では苦戦を強いられた。

 24年6月期は確実な納品を至上命題としていた。備蓄受注の前倒しや、材料入庫の管理、国内外での生産キャパシティーの確保などに力を入れたことで、スムーズな納品につながった。

 スポーツ部門の売上高は71億600万円(2・7%増)。自社ブランドの「ビクトリー」などのほか、ライセンスブランド「アンダーアーマー」が高校を中心に採用を伸ばすなど貢献し、220校以上の採用を得た。現在も既に170校以上の採用が決定するなど、採用が順調に進む。

 ヘルスケア部門の売上高は26億6千万円(11・3%増)。新型コロナウイルス禍も落ち着き、社員の営業活動の範囲を広げたことや、実績のある市場で実績のあるアイテムを拡販する戦略が奏功した。

〈今期は売上高460億円目標〉

 トンボは25年6月期連結決算で、売上高460億円、営業利益20億円、経常利益21億円、純利益15億円を計画する。部門別売上高では、スクール351億円、スポーツ78億円、ヘルスケア29億円を目指す。

 今期は売上高460億円を目標とする3カ年中期経営計画の最終年度となる。さまざまなコストが上昇する中、コストアップ分の価格転嫁とともに、在庫圧縮、確実な納品に注力する。