繊維ニュース

トーセン わた染め生かす開発を

2024年09月24日 (火曜日)

 三菱ケミカルグループでわた染めのトーセン(大阪府和泉市)の上半期(4~9月)は、前年同期比減収で利益は横ばいとなる見通しだ。下半期はわた染めの特徴を生かした開発を加速し、通期(2025年3月期)で前期並みの売り上げを狙う。

 足元では主力の紡績糸用、ウイッグ用、合繊のクリンプ&カット加工が総じて低調に推移する。紡績糸用のわた染めは家庭用を中心にカーペット市場が低迷する影響を受け、クリンプ&カットはニーズがあるものの、加工する原料の供給が減っていることの制限を受けて伸び悩む。

 その中で堅調なのが輸出用で、ユニフォーム用途などで伸ばしてきた。ただ、この用途も数量が拡大するとともに原着を志向する動きも出ており、伸び率が鈍化してきたという。

 今後に向け、原着では難しい色めの開発を強化していく。一つは蛍光色で、高視認性安全服への対応を含めて取り組む。既に通常の蛍光色は開発済みで、難燃素材での高視認もイエローにめどを付けた。

 現在はオレンジでの技術確立に向けて取り組んでおり、素材メーカーや染料メーカーと共同で開発を進めていく。

 わた染めの特徴を生かした多色混での開発にも取り組む。カーペット用でのサプライチェーンを生かし、手芸糸や毛布などの用途でも伸ばしていく考え。