ごえんぼう

2024年09月20日 (金曜日)

 一般的に「褒めるときは人前で、叱るときは個別で」とされるが、人前で褒められるのが苦手な若者は多い▼1995~2010年ごろに生まれたZ世代の意識調査によると、「人前で褒められたくない」との回答が6割を超えた。「周囲の人も同じように評価しているとは限らない」「プレッシャーになる」などが主な理由。誇らしさよりも、人目が気になる、余計なストレスは避けたい、謙遜する気持ちの方が勝るようだ▼実際、社会人1年目の娘から「朝礼のときに褒めなくても」と聞いたことがある。「うれしいけれど、何か失敗したら、みんなに失望されそうで怖い」と言う。大学生の弟が「真面目すぎ」と笑い飛ばしても、本人の気は晴れない▼今や育児も人材育成も“褒めて伸ばす”は通例だが、褒め方次第では逆効果。褒められた人以外への無言の圧力がにじむ場合は針のむしろだろう。「褒めればいい」では誰も幸せにしない。