繊維ニュース

イベント「私たちのSDGs」 繊維廃材でリアルクローズ

2024年09月17日 (火曜日)

 日本繊維機械学会の繊維リサイクル技術研究会が関西の大学の研究者と学生で組織したプロジェクトチーム「エン・ウィ・クル」は12、13の両日、京都文化博物館(京都市)で繊維製品の循環をテーマとしたイベント「私たちのSDGs2024」を開催した。3回目となる今回も学生が廃棄繊維を使用して衣料品を制作し、ファッションショーで披露した。

 イベントには大阪樟蔭女子大、京都光華女子大、京都工芸繊維大、京都女子大、京都精華大、甲南女子大、神戸大、滋賀大、滋賀県立大、四天王寺大学短期大学部、成安造形大、立命館大の学生らが参加した。近畿経済産業局や協同組合関西ファッション連合、日本繊維製品消費科学会、本紙「繊維ニュース」などが後援する。

 ファッションショーでは、リボンを再利用したビスチェ・スカートやセットアップ、学生服やナースウエアと作業服を使ったジャケット・ワンピース、漁網やカーテンを使ったワンピースなどを披露した。いずれも実際の着用を視野に入れたリアルクローズを志向していることが特徴だ。

 また、企業と学生によるトークショーも実施。ショーに参加した学生が作品コンセプトや制作上の工夫などについてプレゼンテーションした。企業側からはエコログ・リサイクルリング・ジャパン(広島県福山市)、時田毛織(愛知県一宮市)、清原(大阪市中央区)、東谷商店(大阪府泉佐野市)が自社の取り組みを紹介した。

 企業と学生のワークショップも開催し、ボーケン品質評価機構、1オーヴ・モードスタジオが環境配慮設計に関するミニセミナーや作品製作を実施し、学生による繊維廃材によるモノ作りも紹介。会場では繊維廃材を利用したアクセサリーなどの販売も行い、来場者の注目を集めた。

 その他、特別講演として12日は感性リサーチ代表取締役の黒川伊保子氏が「脳には“飽きるサイクル”がある」を、13日は宮井(京都市)の小山祥明氏が「京都の風呂敷」をテーマにそれぞれ報告した。